
老朽化していたレガシーシステムをクラウド移行で刷新!マイグレーションで運用コスト削減とセキュリティ強化を実現JSR株式会社様•JNシステムパートナーズ株式会社様のクラウドを活用した導入事例

掲載日:2025年5月30日
老朽化した基幹システムの刷新!課題となっていたセキュリティ対策の強化をクラウド移行で実現
JSR株式会社様(以下、JSR様)は、半導体材料やディスプレイ材料を扱うデジタルソリューション事業、バイオ医薬の開発・製造に貢献するライフサイエンス事業、ABS 樹脂などの高機能な樹脂製品を取り扱う合成樹脂事業の3つを主な事業領域とする化学系メーカーで、半導体製造に不可欠なフォトレジストという製品では、世界トップクラスのシェアを誇っています。そのグループ会社である JNシステムパートナーズ株式会社様(以下、JNSP様)は、JSR グループの基幹系情報システムやインフラ管理の他、IT セキュリティ、ICT サービスの全般を提供しています。
この度、JNSP様では、JSR様が長年利用してきた基幹システムの老朽化に伴う、運用コストの負担やセキュリティリスクなどの課題を解決するため、クラウドへのマイグレーションを実施しました。本プロジェクトをアイレットが支援させていただきました。
JSR株式会社様の基幹システムのマイグレーションについて、高橋様、清水様、石田様、有村様と JNシステムパートナーズ株式会社の佐藤様にお話を伺いました。
お客様の課題
- 基幹システムが老朽化し、将来的なセキュリティリスクに懸念があった。
- 既存システムで使用しているフレームワークが古く、セキュリティ対応の継続が難しかった。
- システム移行を検討していたものの、既存システムが複雑で移行が困難だった。
- 利用していたデータベースのライセンス費用が負担となっていた。
- オンプレミス環境で稼働していたため、サーバー運用費用や保守費用が高額になっていた。
- システムに関するドキュメントが不足しており、現状把握に時間を要した。
対応と結果
- 老朽化した基幹システムをクラウドへ移行し、将来的なシステム維持の懸念を解消した。
- 最新のフレームワークへ移行することで、セキュリティリスクを低減した。
- クラウド環境への移行とマネージドサービスの活用により、運用保守業務を削減した。
レガシーシステムのセキュリティリスク解消を目指し、基幹システムの刷新を決断
JSR様では、長年稼働してきた基幹システムの老朽化により、今後のシステム維持に関する懸念が生じていました。特にソフトウェアがライフサイクルの終了を迎えることから、セキュリティリスクへの対応が喫緊の課題となっていました。

システム戦略部
高橋 大 様
「元々、原料や品質管理などを扱う基幹系のシステムがプライベートクラウド上で稼働していました。JNSP へ相談した時点で、稼働から既に7〜8年ほどが経過しており、将来的なセキュリティリスクを完全に払拭できないことから、全面的に刷新せざるを得ないというのが検討のきっかけでした。」(JSR 高橋様)
「今回移行したシステムは、サプライヤーや仕入先などの取引先が外部から接続して利用するシステムです。このシステムを構成しているミドルウェアやソフトウェアがライフサイクルの終了を迎えることから、より高いレベルでのセキュリティ担保が難しい状況となっていました。また、プライベートクラウドにおいてのサーバー運用費や保守費、ライセンス費についても低減をしていく必要がありました。」(JNSP 佐藤様)
クラウドに関する豊富な知識とスケジュールへの柔軟な対応力が決め手となり、アイレットを選定
クラウド移行にあたり、複数のベンダーを検討される中で、アイレットのクラウド開発の知見と技術力、そしてスケジュールへの柔軟な対応力を評価していただきました。

製造技術第二センター
清水 大輔 様
「(JSR様で)以前からお取引のあった AWS 社から、クラウド開発の知見と技術力を持つ会社としてアイレットをご紹介いただきました。」(JNSP 佐藤様)
「今回移行したシステムは、海外の取引先も常時使用しているシステムであったため、移行タイミングの調整が困難でした。取引先がシステムを使用しない期間に移行を完了させる必要があるため、スケジュールを確保できる機会が非常に限られており、タイミングを逃すと大幅に先送りとなってしまう状態となっていました。」
「何社かに提案を依頼した中で、最も良いスケジュールを提示していただいたのがアイレットでした。弊社としてもできるだけ早期にマイグレーションを実現したかったため、スケジュールとコストの両面で最適だったことが、アイレット選定の決め手となりました。」(JSR 清水様)
レガシーシステムのドキュメントが一部存在しない中でも、スムーズな移行を実現。移行後の操作感を UAT で評価
プロジェクトの推進にあたっては、まず既存システムの詳細な分析から着手しました。

システム戦略部
佐藤 和憲 様
「依頼の背景としては、まずは『セキュリティをどう担保していくか』という考えと、『今できていないことを改善していきたい』という要望がありました。」
「システムが古く、ドキュメントも一部不足していたため、移行は難易度が高いものでしたが、その点を踏まえてざっくばらんに相談させていただきました。」(JNSP 佐藤様)
「今回のプロジェクトはマイグレーションが一番の目的だったため、スケジュール通りに確実に実施することに注力していただきました。その中でも、我々からの要望を可能な限り反映してもらえたと感じています。」(JSR 清水様)
「我々、取引先と直接やり取りする立場としては、最終的な完成形における操作感を重視していました。UAT(受け入れテスト)では、実際に取引先にも利用してもらい、操作に違和感がないかを確認しました。」
「なるべく操作感を変えないように進めていた中で、取引先から『変わりなく使える』という評価をもらえたのは、非常に良かったと感じています。」(JSR 石田様)
懸念されたスケジュールにも遅延なく移行を完了し安定稼働へ!今回のシステム刷新で生まれた拡張性に更なる期待
今回のクラウド移行プロジェクトにより、JSR様では様々な導入効果を実感していただきました。

製造技術第一センター
石田 光司 様
「システム戦略部の観点からすると、スケジュール遅延がなく、かつ安定して稼働しているというのは大変素晴らしいことだと思っています。数多くのプロジェクトに入っていますが、ここまで順調な事例は他にないと感じています。」(JSR 高橋様)
「使う側からしても、問題の発生を防ぎつつセキュリティ対策がを問題なくできているたと感じています。移行時には、従来の使い方ができずトラブルになるケースも多いのですが、今回はそういった事象がなく、非常にありがたかったです。」(JSR 石田様)

製造技術第二センター
有村 雄一朗 様
「これまでは、何か要望を出したとしてもなかなか対応が難しかったのですが、今回の刷新により拡張性が生まれ、今までできなかったことができるようになったのは非常に嬉しいですね。」(JSR 有村様)
「クラウド技術に関する知見が十分でなかった中でも、AWS に関する説明を非常に丁寧に行なってくださったことで理解が進み、“これでいこう”という判断ができました。その丁寧さは期待を上回るものだったと感じています。」(JNSP 佐藤様)
今後の展開に向けた期待と、さらなる協力体制への希望
今回の移行プロジェクトを経て、JSR様、JNSP様からはアイレットへの今後の期待も寄せられています。
「AWS へマイグレーションしたいシステムは、まだいくつか存在します。そうした案件も今後具体的にご相談していけたらと思っています。」(JSR 高橋様)
「今回はセキュリティ対策を第一に進めていただきましたので、今後は使いやすさ向上に向けた改修を問題なく進めていきたいですね。」(JSR 石田様)
「今後もさまざまな案件が発生する中で、親会社である JSR社のコスト削減に資するような、より先端的な技術を取り入れた提案を一緒に考え、双方が Win-Win となる関係性を築いていきたいです。」(JNSP 佐藤様)
今後もアイレットでは、技術力とプロジェクト推進力を活かし、お客様のニーズに寄り添った課題解決に取り組んでまいります。