ガバメントクラウド移行に不安を抱える地方自治体を支援。豊富な実績とノウハウで標準化対応をスピーディに実現山形県庁様のクラウドを活用した導入事例
掲載日:2026年3月26日
お客様の課題
- 「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」に基づき、令和7年度(2025年度末)までに基幹業務システムをガバメントクラウドへ移行する必要があった。
- 山形県としてのガバメントクラウド移行に向けた方針策定のため、より多くの情報収集が必要だった。
- 県下35自治体に対し、ガバメントクラウド移行に関する適切な情報提供を行なう必要があった。
- クラウド技術に精通したパートナーとの連携体制の構築が求められていた。
対応と結果
- 豊富な実績に基づく独自のヒアリングシートを活用し、要件定義をスムーズに実施。
- ネットワークアカウント環境と LGWAN ガバメントクラウド接続サービス(LGCS)との接続および疎通確認テストを実施。
- ネットワークアカウント環境と ASP 事業者のアカウント領域を AWS Transit Gateway で接続。
- 標準準拠システムが移行するための環境を整え、運用管理補助業務も提供。
山形県庁様は、2025年度末までに求められる基幹業務システムのガバメントクラウドへの移行を計画されていましたが、クラウド技術に精通したベンダーが少なく、対応に悩んでいました。そこで、KDDI株式会社様が窓口となり、県内全自治体を対象とした勉強会の開催からネットワーク環境の構築、運用管理補助業務まで、ガバメントクラウド移行の全プロセスを支援。アイレットは技術パートナーとして本プロジェクトに参画しました。
情報収集と県下自治体への支援が課題に。山形県庁様主催の勉強会で、ガバメントクラウド移行を加速
2021年5月に成立した「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」により、全国の地方公共団体は2025年度末までに、ガバメントクラウドに構築された標準化基準に適合した基幹業務システムへ移行することが求められています。ガバメントクラウド移行の背景には、事務の効率化や公共情報システム全体のセキュリティレベルの高度化、ならびに大規模災害対策の実現という目的があります。これらは、人口減少や社会環境の変化が進む中でも、質の高い行政サービスを安定的に提供し続けるために欠かせない要素とされています。
こうした方針を受け、山形県庁様においても、県庁として管轄する生活保護システムと児童扶養手当の2業務の基幹業務システムへの移行が求められていました。また、県下市町村は20業務が移行の対象となるため、自治体様に対する適切な情報提供と支援も重要な課題となっていました。移行対象となっている基幹業務システムは各 ASP 事業者より提供されているため、ネットワークアカウント環境と各 ASP 事業者の AWS アカウント領域(共同利用方式アカウント領域)間での接続環境を構築する必要がありました。
山形県庁様では、県としての移行方針を策定すべく、技術的な知見や先行事例など、積極的に情報収集を進めると同時に、20業務の移行に直面する県下自治体への情報提供についても検討を重ねていました。こうした状況の中、山形県庁様は2024年8月、県下自治体との技術的な知見や課題の共有を目的に、KDDI株式会社様(以下、KDDI 様)と協力して県内全35自治体を対象とした勉強会を開催。AWS や地方公共団体情報システム機構(J-LIS)、デジタル庁、そしてアイレットが参加し、ガバメントクラウドの概要や接続方法などを説明しました。35自治体のうち30団体が参加し、多くの自治体がガバメントクラウドへの理解を深める機会となりました。
豊富な実績とヒアリングシートの活用で、ガバメントクラウド移行をスピーディに支援
2025年3月の入札を経て、KDDI 様が山形県庁様のガバメントクラウド環境構築プロジェクトを受注。同年4月より構築が正式に開始しました。KDDI 様の技術パートナーとして参画したアイレットは、ネットワークアカウント環境の設計・構築・テストを担当。LGWAN ガバメントクラウド接続サービス(LGCS)との接続、ASP 事業者のアカウント領域との AWS Transit Gateway 接続、そして J-LIS が実施する第五次 LGWAN ルータ移行作業に必要な準備状況チェックシートの作成支援を行ないました。
今回のプロジェクトでは、アイレットがこれまで多数の自治体で培ってきたガバメントクラウド構築の実績が大きく活かされました。特に効果を発揮したのが、独自に作成した詳細なヒアリングシートの活用です。過去の案件で試行錯誤を重ねて作成したこのヒアリングシートには、アカウント情報や利用方式(共同/単独)、AWS Direct Connect 設定値、DNS サーバー情報、非機能要件、ログ保管方針、バックアップ設定、緊急連絡先など、必要な情報が網羅されています。
また、プロジェクト開始時のキックオフミーティングでは、ヒアリングシートの記入方法を丁寧に説明。山形県庁様や ASP 事業者様にご提出いただくことで、要件定義をスムーズに進めることができました。さらに、設計フェーズ終了後には設計書の読み合わせを実施し、認識のズレが発生しないように確認を行ないました。
2025年10月には庁舎と AWS 環境間の接続経路を確立。標準準拠システムが移行するための環境が整い、本番環境での運用が開始されています。現在はアイレットの運用管理チームが月次定例会を開催しながら、安定稼働の確保と継続的な改善を支援しています。
ガバメントクラウドへの移行は、多くの地方自治体にとって大きな課題です。アイレットでは100団体以上のガバメントクラウド構築・運用実績があり、自治体様の状況に応じた柔軟な支援が可能です。技術的な不安を抱える自治体の皆様は、ぜひお気軽にご相談ください。
システム構成図

使用プロダクト
◼︎ AWS
・AWS Direct Connect
・AWS Direct Connect Gateway
・AWS Transit Gateway
・Amazon S3
・Amazon Inspector
・AWS KMS
・Amazon SNS
・Amazon CloudWatch
・AWS Backup
・AWS Budgets
・AWS Identity and Access Management(IAM)
・AWS RAM
・Amazon EventBridge
・AWS CloudTrail
・AWS Service Catalog
| 案件名 | ガバメントクラウド移行に不安を抱える地方自治体を支援。豊富な実績とノウハウで標準化対応をスピーディに実現 |
|---|---|
| クライアント | 山形県庁様 |