PoC から商用化フェーズへ。AWS の知見を活かしたコスト最適化設計で Web 制作者向けリリース管理サービスの基盤を構築株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ様のクラウドを活用した導入事例
https://www.kddi-webcommunications.co.jp/
掲載日:2026年4月28日
課題
- PoC 段階の構成では商用サービスとしてのコスト効率やセキュリティ面での懸念があり、製品化レベルまで引き上げる必要があった。
- AWS 上でサービス化するにあたり、AWS 基盤の設計・構築に精通したパートナーの支援を必要としていた。
- 新サービスの早期リリースが求められる中で、プロジェクトを完遂するためのエンジニアリソースが不足していた。
対応と結果
- PoC の構成をベースに、サービス価格を踏まえたコスト最適化設計を実施。コンテナ設定やリソース共有構成を見直し、1つのシステムモジュールで数千ユーザー規模の利用に対応可能なインフラ構成を実現。
- セキュリティ強化やパフォーマンステストを経て、PoC の検証構成を製品レベルのインフラへ引き上げ。AWS マネージドサービスを活用した堅牢な構成を実現。
- ユーザー作成やサーバー設定の自動化を IaC ツールで実装し、運用工数の削減とサービス運営コストの低減を達成。
株式会社KDDIウェブコミュニケーションズは、ホスティング事業のサービス拡充に向け、Web 制作者がサイトの公開・管理をより安全に行えるリリース管理サービス「SmartRelease U」の開発を進めていました。
本プロジェクトにおいて、KDDIアイレットは AWS 基盤の設計・最適化を提案し、インフラからアプリケーション開発、デザインまで包括的に支援しました。
PoC の検証構成から商用化を見据えて最適化。コスト効率と信頼性を両立するサービス基盤を再設計
株式会社KDDIウェブコミュニケーションズは、ホスティング市場におけるサービス拡充と、Web 制作現場の負荷軽減を目指し、新たな Web サイト管理基盤の開発を進めています。本プロジェクトでは、Web サイトの本番公開前に安全なテスト環境で動作確認を行ない、スムーズに本番環境へデプロイする「リリース機能」のクラウド化を実現されています。
このリリース機能のクラウド化にあたり、同社では事前に PoC を実施し、AWS 上での技術的な実現可能性を検証されていました。しかし、PoC 段階の構成では、機能の動作検証には成功していたものの、1ユーザーあたりのインフラ利用料が想定されるサービス利用料を上回るリスクがあり、ビジネスモデルとしての成立に課題がありました。また、商用リリースに向けては、単なる機能実装だけでなく、数千ユーザーの同時利用を想定したパフォーマンスの最適化や、保守性を高めるための運用の自動化、さらには厳格なセキュリティレベルの担保が必要とされていました。
KDDIアイレットは、これら商用化に向けた技術的課題を解決するパートナーとして、インフラのコスト効率を最大化するためのアーキテクチャの再定義、アプリケーションの機能実装、そしてユーザー体験を最適化するデザインおよび UI 実装まで、全工程にわたるサポートでプロジェクトを支援しました。
サービス価格を踏まえた AWS 基盤のコスト最適化と、責任範囲を分離した疎結合アーキテクチャの構築
本サービスは、ユーザーが Web サイトを本番公開する前に動作確認を行なうための環境を提供するものであり、1ユーザーあたりのサービス利用料を低く設定する必要があります。そのため、インフラコストを極力抑えた構成が求められていました。PoC 段階では、サービスの実現性や機能検証を目的とした構成で AWS 上での動作確認が行なわれていましたが、商用サービスとして多数ユーザーの利用を想定した場合、ユーザーあたりのインフラコストをより最適化する必要がありました。
この課題を解決するため、1つの Amazon ECS サービスと Amazon EFS を数千ユーザー規模で共有する構成へ再設計を実施。コンテナ設定の見直し、Apache の仮想ホスト設定の最適化、セキュリティ面の強化を行ない、パフォーマンステストを経てサービスとして成立するインフラ構成を実現しています。ユーザーへの FTP 機能は AWS Transfer Family を利用して提供しています。
ユーザーが設定を行なうための WebUI のバックエンドは、フロントエンド専用の API を提供するBFF(Backend for Frontend)層と API 層の2階層で Amazon ECS を構成し、FastAPI による API 実装を採用しています。
フロントエンドは Amazon S3 と Amazon CloudFront による配信基盤上に React で構築し、セッション情報の管理には Amazon DynamoDB を使用。外部公開サーバーとの通信を担うリリースマネージャーは API 層から分離した Amazon ECS サービスとして構成し、Amazon SQS を介した疎結合なアーキテクチャとしています。これにより、モジュールごとの責任範囲を明確にし、一部モジュールを外部ベンダーが担当する並行開発体制にも対応しています。
また、運用コストの低減を目的として、 Infrastructure as Code(IaC)ツールを用いた環境構築の自動化を実施。ユーザー作成や設定変更などの定型業務をコード化することで、少人数でのサービス運用を可能にしました。
KDDIアイレットは、PoC の検証構成を商用レベルのサービス基盤へ引き上げるための設計・構築から、アプリケーション開発、運用の自動化までを一貫して支援します。AWS を活用したサービス開発において、コスト効率の高いインフラ設計や開発体制の確保にお悩みの方は、ぜひ KDDIアイレットまでご相談ください。
システム構成図

使用プロダクト
◼︎ AWS
・Amazon ECS
・Amazon Aurora
・Amazon DynamoDB
・Amazon S3
・Amazon CloudFront
・AWS Lambda
・Amazon EFS
・AWS Transfer Family
・Amazon EventBridge
◼︎ その他
・React
・FastAPI
・Docker
・Terraform
| 案件名 | PoC から商用化フェーズへ。AWS の知見を活かしたコスト最適化設計で Web 制作者向けリリース管理サービスの基盤を構築 |
|---|---|
| クライアント | 株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ様 |