導入事例
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生成 AI による帳票起票の自動化と品質平準化を実現。製造現場の知見を資産化する AI アシストシステムの構築株式会社IHI機械システム様のクラウドを活用した導入事例

https://www.ihi.co.jp/ims/

生成 AI による帳票起票の自動化と品質平準化を実現。製造現場の知見を資産化する AI アシストシステムの構築

掲載日:2026年3月26日

お客様の課題

  • 起票者によって書類の記載粒度や品質にばらつきがあり、チェック工程に多大なコストを要していた。
  • 過去の膨大な類似書類や報告書が存在するものの、検索性が低く有効活用できていなかった。
  • Excel ベースの運用により、顧客名や製品名の表記揺れが発生し、データの集計や分析に支障をきたしていた。

対応と結果

  • 管理者が Excel テンプレートをアップロードするだけで、生成 AI が入力項目を自動解析してフォームを生成する機能を実装し、テンプレート作成工数を削減。
  • 過去の帳票資料を生成 AI が検索・参照し、新規起票時の入力内容を自動補完する機能を実装。
  • 社内マスタデータと連携することで、正式名称や規定フォーマットに沿った入力ができる仕組みを構築。
  • 帳票の入力内容を生成 AI が自動でレビューする仕組みを構築し、記載の品質向上と表記揺れの削減を実現。

株式会社IHI機械システム様は、製造現場で発生する報告書や社内申請資料の帳票起票の業務において、起票者による品質のばらつきや、過去の知見が十分に活用されていないという課題を抱えていました。

本プロジェクトにおいて、アイレットは生成 AI と RAG(検索拡張生成)技術を活用し、起票時の入力補完と入力内容をレビューする「帳票起票アシストシステム」の設計・開発を包括的に支援させていただきました。

製造現場の帳票業務を AI で形式知化。Excel 運用からの脱却と業務 DX の推進

株式会社IHI機械システム様(以下、IHI機械システム様)は、製造現場における不具合報告書や社内申請資料など、各種帳票の起票業務が日常的に発生しています。従来は Excel ベースのフォーマットへの手動入力が主な作業方式でしたが、起票者によって記載の粒度・品質・正確さがばらつく問題が生じていました。また、過去の類似書類や報告書が帳票データベースに大量に格納されているにもかかわらず、検索性が低く新規起票時に参照・活用できていない状況が課題となっていました。

こうした背景のもと、IHI機械システム様は生成 AI を活用し、過去の知見を誰もが簡単に引き出せ、かつ一定以上の品質で書類を作成できる環境の構築を目指されました。アイレットは、前プロジェクトで開発した「帳票検索システム」に続く第二フェーズとして、生成 AI を活用した「帳票起票アシストシステム」の開発を担当しました。検索から起票までの一連の業務フローを DX 化することで、起票業務の効率化と入力品質の向上を図っています。

製造業の帳票や設計データなどの非構造化データをナレッジ化!生成 AI を活用した帳票検索システム開発

生成 AI が過去資料を参照し入力を自動補完。マスタデータ連携と AI レビューで帳票品質を均一化

本システムは、管理者向けのテンプレート作成画面と、現場担当者向けの帳票起票画面で構成されています。

テンプレート作成画面では、管理者が既存の Excel ファイルをアップロードすると、Amazon Bedrock(Claude Sonnet 4.5)が帳票の入力項目を自動解析し、Web フォームのひな形を生成します。各項目に対する AI レビューの観点も自然言語で設定可能で、起票画面での品質チェックに活用できます。

テンプレート作成画面イメージ 1

テンプレート作成画面イメージ 2

テンプレート作成画面イメージ 3
テンプレート作成画面イメージ

帳票起票画面では、担当者が自然言語でキーワードを入力すると、Amazon Kendra が帳票データベース内の過去資料を検索し、類似案件の記載内容を入力候補として提示します。

なお、Amazon Kendra の AttributeFilter 機能を活用することで、最大4階層のフォルダ構造を段階的に絞り込む検索を実現しており、用途に応じた精度の高いドキュメント参照が可能です。

帳票起票画面イメージ
帳票起票画面イメージ

また、表記揺れへの対応として、顧客が保有する社内マスタデータを Amazon DynamoDB に格納し、入力時にリアルタイムで候補を提示する仕組みを実装しました。マスタデータに存在しない表記が入力された場合は警告を表示し、正式名称での記載を促します。入力後は「内容レビュー」機能により、AI が帳票全体の整合性・未入力項目・フォーマット準拠を確認し、各項目の直下にバリデーションメッセージ形式でレビュー結果をインライン表示します。

レビュー画面イメージ
レビュー画面イメージ

生成 AI との対話を「見やすく・使いやすく」。現場担当者を意識した UI/UX 設計で操作性を追求

本システムの開発では、生成 AI を「システムの機能」としてだけでなく「開発プロセス」にも活用することで、高品質な UI/UX を短期間で実現しました。

開発初期段階では、Figma Make や Gemini Canvas などの生成 AI ツールを活用して動作するモック画面を迅速に作成しました。Figma Make が出力した React コードをベースに開発を行うことで、デザインから実装への変換工数を大幅に削減。お客様とのユースケース確認と要件定義を並行して進めることで、仕様の認識齟齬を防ぎながらスピーディに開発を進めました。

また、デザイナー自身が生成 AI を活用してソースコードの編集やプルリクエストのレビューを行う体制を構築しました。これにより、デザイン提案と実装を同時に進めることが可能となり、従来の「デザイン→実装」という分断されたプロセスを統合。エンジニアとデザイナーがより協調してサービスについて議論できる環境を実現しました。こうした生成AIを活用した開発プロセスにより、高品質な UI/UX を短期間で実現しています。

UI 設計においては、生成 AI から受け取る情報の表示方法を、情報の性質や利用場面に合わせて使い分ける工夫をしています。帳票の編集画面では AI とのやり取りをサイドバーに表示することで、帳票の編集と AI への質問・参照を1つの画面で完結できる設計としています。また、AI による入力内容レビューの結果は、一般的なバリデーションメッセージと同様に各項目の直下にインライン表示する形を採用。どの項目にどのような指摘があるかを視覚的に把握でき、修正作業の効率化につながっています。

本システムにより、担当者は過去資料を手動で探す手間なく入力のベースを自動取得でき、生成 AI のレビューによって記載品質を一定水準に保つ運用が可能となります。

アイレットは今後も、生成 AI などの先端技術を単なる機能として提供するだけでなく、お客様の業務プロセスに深く最適化させた「価値」として提供することで、製造業界の持続的な成長と DX 推進を伴走支援してまいります。生成 AI を活用した業務 DX の導入をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

システム構成図

株式会社IHI機械システム様 システム構成図

使用プロダクト

◼︎ AWS
 ・Amazon Bedrock(Claude Sonnet 4.5)
 ・Amazon Kendra
 ・Amazon S3
 ・Amazon API Gateway
 ・AWS Lambda
 ・Amazon DynamoDB
 ・AWS Amplify
 ・AWS CloudFront
 ・Amazon Cognito
 ・AWS WAF
◼︎ その他
 ・Gemini
 ・Figma Make

案件名 生成 AI による帳票起票の自動化と品質平準化を実現。製造現場の知見を資産化する AI アシストシステムの構築
クライアント 株式会社IHI機械システム様

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