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わずか3日間で組織の知的資産を可視化!Amazon Bedrock(Claude)活用で Slack に埋もれた暗黙知を自動発掘アイレット株式会社のクラウドを活用した導入事例

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わずか3日間で組織の知的資産を可視化!Amazon Bedrock(Claude)活用で Slack に埋もれた暗黙知を自動発掘

掲載日:2026年3月12日

属性

課題

  • チャットツール(Slack)上で交わされる技術議論や設計判断の背景が膨大なログに埋もれ、必要な情報に辿り着くまでに時間を要していた。
  • 日々発生する数十件のスレッドから有益な知見を手動で選別・蓄積する運用は、工数負荷が高く現実的ではなかった。
  • 障害対応のノウハウや実装意図などの重要な暗黙知がドキュメント化されず、組織の資産として活用しづらい状況にあった。

対応と結果

  • 生成 AI を活用し、過去3年分のチャットログから約280件の知見を自動抽出。ナレッジ蓄積にかかる工数を大幅に削減。
  • Amazon Bedrock(Claude Sonnet 4.5)によりスレッドを自動判定・要約し、技術判断や運用ノウハウを自然言語で検索・参照できる環境を構築。
  • 個人情報の仮名化やコスト制御を備えたサーバーレス構成により、安全かつ低コストなナレッジ基盤を短期間で実用化。

アイレット株式会社は、自社開発の次世代監視基盤「AMS(Advanced Monitoring System)」の開発・運用において、チャットツール(Slack)上に蓄積される設計判断やトラブル対応のノウハウを必要な場面で迅速に参照できる形で活用することを目的に、生成 AI を活用した自動抽出システム「Slack Knowledge Harvester(SKH)」を構築しました。

Slack に蓄積された膨大な会話を「組織の資産」へ。障害対応や設計検討の場面で、過去の結論・理由・手順にすぐ辿り着ける状態を目指す

アイレット株式会社(以下、アイレット)は、クラウド導入・活用の総合支援サービス「cloudpack」を提供し、クラウドの導入設計から構築、監視、運用保守までをワンストップで支援しています。その内部システムである次世代監視基盤「AMS(Advanced Monitoring System)」の開発・運用において、エンジニアは日々チャットツール(Slack)上で技術的なコミュニケーションを行なっています。

設計判断の背景や障害対応の経緯、実装意図といった情報は、こうした日常的な会話の中でリアルタイムに共有されます。一方で、チャットツールの特性上、過去の議論は時間と共にログに埋もれていき、障害対応や設計の見直しといった場面で、過去の結論・理由・手順に辿り着くまでに時間がかかるという課題がありました。

従来は、重要と思われるスレッドを人手で抽出し、ドキュメントとして整理する運用を行なっていましたが、1日に数十件発生するスレッドの中から価値ある内容を選別する作業は工数負荷が高く、すべてを網羅することは困難でした。その結果、多くの暗黙知が個人の記憶に依存したまま蓄積され、組織としての技術資産を十分に活かしきれていない状況が続いていました。

こうした背景から当社は、Slack 上の会話を起点に、技術判断に必要な情報を自動的に抽出・整理し、必要な場面で迅速に参照できる仕組みが必要だと判断。生成 AI を活用した自動判定システムの構築に着手しました。

Amazon Bedrock(Claude Sonnet 4.5)を活用しチャットログを自動判定し、重要な知見を抽出

この課題に対しアイレットは、Amazon Bedrock を中核とした自動抽出システムを構築。本システムは、Slack API を通じて取得したスレッドデータを入力として、Amazon Bedrock 上で稼働する Claude Sonnet 4.5により解析・判定を行ないます。

具体的には、各スレッドに対して0〜10点のスコアリングを実施し、「設計判断の背景」「運用知識」「技術的洞察」「暗黙知」「意思決定ログ」といった独自に定義した評価観点に基づいて判定。設計選択の理由や重視した観点、障害対応やワークアラウンドといった運用ノウハウ、ドキュメント化されていない実装意図や検討の経緯、アーキテクチャ理解を深める技術的な示唆、複数案の比較と採用理由などを評価対象とし、スコアが一定以上のスレッドのみを抽出することで、ノイズを抑えつつ判断に役立つ情報を効率的に集約しています。

また、抽出されたスレッドは、300〜400文字程度の「知見サマリー」として生成されます。このサマリーは、スレッド全体を読み返さなくても理解できるよう、結論・理由・手順を明確に分離した構成で要約されている点が特徴です。さらに、関連キーワードと元スレッドの URL を付与し、「知見カード」として整理することで、文脈に依存せず単体で参照可能な形式に整えています。

画面イメージ 知見カード
(画面イメージ)知見カード

このカード形式は、将来的な RAG(Retrieval-Augmented Generation)基盤のデータソースとしても活用可能な構造となっており、ナレッジの蓄積と検索性の両立を意識した設計となっています。

NotebookLM をフロントエンドに、現場で使えるナレッジ参照基盤を構築

生成された知見カードは、JSON 形式で Amazon S3 に保存された後、Markdown 形式に変換され、Google NotebookLM と連携。知見カードをそのまま情報ソースとして取り込み、その内容をもとに自然言語で回答を組み立てて表示できるため、現場で実用可能なナレッジ参照基盤の短期間での構築が可能となりました。これにより、エンジニアは自然言語で問いかけるだけで、過去の結論や判断理由、対応手順に迅速に辿り着ける環境を実現しました。

こうした参照体験を実運用で安定して提供するため、システムアーキテクチャには AWS Lambda、Amazon S3、Amazon Bedrock を組み合わせたサーバーレス構成を採用。インフラ管理の負荷を抑えつつ、スレッド数や判定件数の増減にも柔軟に対応できる設計とすることで、継続的な運用を前提としたナレッジ基盤を構築しました。

構築したシステムを用いて、2023年1月から2026年1月までの約3年分、計1,357スレッドを対象に過去分をまとめて処理した結果、282件の高品質な知見カードを抽出しました。現在は関連チャンネルを中心に運用されていますが、今後は API 連携が可能な NotebookLM Enterprise への移行も視野に入れ、知見カードの登録・更新を自動化するなど、ナレッジ基盤の継続運用をさらに効率化していく方針です。

「使いながら育てる」戦略により、わずか3日間で実用化。継続的な改善を前提としたナレッジ基盤へ

本プロジェクトでは、「完璧を求めず、使いながら改善する」という設計思想を基本方針としています。Slack 上のすべてのスレッドを網羅的に整理するのではなく、生成AIはあくまで知見を「発掘」する役割に徹し、最終的な構造化や判断は人間が行う前提としました。

具体的には、一定期間運用した結果をもとに判定精度を検証し、必要に応じて評価観点やプロンプトを調整する改善サイクルを回しています。誤判定が発生することも想定したうえで、全件チェックではなくサンプリング監査による補正を行うことで、運用負荷を抑えつつ精度を高める設計としています。

この「使いながら育てる」アプローチにより、初期開発は約3日間という短期間で実用化を実現。現在は週次でのサンプリング監査を通じて、判定精度の継続的な改善を進めています。

アイレットでは、生成 AI やクラウドサービスを活用したシステム設計・構築に加え、実運用を見据えたナレッジ整理や検索体験の設計まで一貫して支援しています。チャットツールに蓄積された情報の活用や、生成 AI を用いた業務効率化に課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

システム構成図

システム構成図

使用プロダクト

◼︎ AWS
 ・AWS Lambda
 ・Amazon Bedrock(Claude Sonnet 4.5)
 ・Amazon S3
 ・Amazon CloudWatch
◼︎ Google NotebookLM
◼︎ Slack API

案件名 わずか3日間で組織の知的資産を可視化!Amazon Bedrock(Claude)活用で Slack に埋もれた暗黙知を自動発掘
クライアント アイレット株式会社

関連カテゴリー

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