SRT プロトコルを活用し、不安定な上空電波でも高品質な映像配信を実現！【IoT】ドローン映像配信システム開発KDDIスマートドローン株式会社様のクラウドを活用した導入事例

https://kddi.smartdrone.co.jp/

掲載日：2023年2月27日

【IoT】ドローン映像配信システム開発

KDDIスマートドローン株式会社様（以下、KDDIスマートドローン様）は、ドローンが日常生活を支えるインフラとして活躍する社会の実現に向け、モバイル通信を用いてドローンの安心・安全な遠隔制御・長距離飛行を実現する運航管理システムを開発・提供されています。このたび、ドローンに搭載しているビデオカメラを活用した映像配信システムの品質向上を目指し、アイレットがシステム開発をご支援しました。

ドローン映像配信の品質向上に向けて、MediaConnect を活用した SRT プロトコルによるシステム開発を実施

KDDIスマートドローン様は、モバイル通信を用いてドローンの安心・安全な遠隔制御・長距離飛行を実現する運航管理システムと、様々なドローンを組み合わせて、広域監視や測量・人物検知・物流・農業など多岐にわたるソリューションを提供しています。アイレットは運航管理システムのインフラ開発、監視・運用・保守までをご支援しています（導入事例はこちら）。

この運航管理システムが提供する機能の一つとして、ドローンに搭載しているビデオカメラを使用した映像配信システムを運用されており、当社もインフラ構築をご支援しました。しかし、当初は UDP プロトコルを活用していたのですが、上空の不安定な電波では映像が遅延するケースも少なくないため、さらなる品質向上を目指してシステム開発を行なうことを計画。アイレットが動画配信システムの開発を担当しました。

今回の開発では、AWS のライブ映像伝送サービス「AWS Elemental MediaConnect」を採用しています。開発当時、AWS Elemental MediaConnect のプロトコルとして SRT（Secure Reliable Transport）が新しく追加されました。SRT は、信頼性が高く遅延の少ない映像伝送プロトコルで、パケット損失の大きいネットワーク環境でも高品質のインターネット映像伝達を可能にするため、お客様からのご要望を受けていち早く導入することが決まりました。

ドローンの挙動に合わせて自動でストリーム映像を制御・停止することでコスト最適化を実現

映像配信の仕組みとしては、まずドローンが撮影した SRT 映像を AWS Elemental MediaConnect で受信し、機体操作に使用する Android アプリで映像を視聴する流れとなります。また、多人数同時視聴を想定した Web ブラウザの HLS（HTTP Live Streaming）配信を実現するために、「AWS Elemental MediaStore」および「AWS Elemental MediaLive」も活用しています。

さらに、より安定的な配信を実現すべく、サーバーの冗長化構成も採用。SRT プロトコルを採用した場合、機体の配信処理でサーバーに何かしらの問題が発生した際、機体側で配信先を切り替える必要があります。配信先が切り替わると視聴するアプリでも視聴先を切り替える必要があるため、機体のテレメトリーデータに配信先 IP を含めることで、常に機体が配信している IP をアプリが検知して視聴を行なう設計にして対処いたしました。

また、機体の電源 ON/OFF や着陸などの動作と連動してストリーム映像の制御・停止を行なう設計にすることで、コスト最適化を実現。フライトごとの録画データ生成も自動化できるようになり、サービス利便性が向上しました。

アイレットは今後も、豊富な経験と高い技術力を存分に活かしながら新しい技術分野にも積極的に挑戦し、お客様の課題解決やビジネス発展を支援してまいります。

システム構成図

使用プロダクト

・AWS Elemental MediaConnect
・AWS Elemental MediaStore
・AWS Elemental MediaLive

案件名	SRT プロトコルを活用し、不安定な上空電波でも高品質な映像配信を実現！【IoT】ドローン映像配信システム開発
クライアント	KDDIスマートドローン株式会社様