導入事例
CASESTUDY

製造現場の SCADA データをクラウドへ。両社の知見を組み合わせた IoT データの可視化・分析基盤構築東京ガス株式会社様のクラウドを活用した導入事例

https://eee.tokyo-gas.co.jp/lp/joy/watcher/lp/index.html

製造現場の SCADA データをクラウドへ。両社の知見を組み合わせた IoT データの可視化・分析基盤構築

掲載日:2026年9月3日

課題

  • 工程監視システム開発ツール「JoyWatcherSuite」は、製造業を中心に各工場のオンプレミス環境で利用されており、生産設備やユーティリティ設備の安定した監視を支えてきた。
  • 一方で近年、「複数工場の状況を横断的に把握したい」「SCADA で収集したデータを工場内の監視にとどめず、クラウド上で可視化・分析したい」といったニーズが高まっていた。
  • さらに、蓄積したデータを活用し、拠点間比較や傾向分析、継続的な改善活動につなげられる環境が求められていた。
  • クラウド接続オプション「JoyCloudConnect」により SCADA データをクラウドへ連携することは可能だったが、現場監視の安定性を維持しながら、クラウド連携後の活用基盤まで含めて、整備できるパートナーと連携する必要があった。

※SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition):工場やビルなどの設備をネットワーク経由で監視・制御するシステム

対応と結果

  • 東京ガス様の SCADA・製造現場に関する知見と、KDDIアイレットの「IoTpack for Factory」および AWS・IoT に関する知見を組み合わせ、「JoyCloudConnect」経由で転送された SCADA データの可視化・分析環境を構築。
  • 「JoyCloudConnect」により、「JoyWatcherSuite」で収集した SCADA データをクラウドへ連携。その先のデータ活用基盤を、KDDIアイレットが「IoTpack for Factory」と AWS マネージドサービスを活用して整備。
  • Amazon Managed Grafana によるリアルタイム可視化と、Amazon Quick によるデータ分析環境を整備。遠隔監視に加え、複数拠点の状況把握、傾向分析、拠点間比較など、製造業のお客様のデータ活用ニーズに応えられる環境を実現。
  • 両社の連携により、「JoyWatcherSuite」を利用するお客様に対して、工場内の監視だけでなく、クラウドでの可視化・分析まで含めた新たな SCADA 活用の選択肢を提供できる体制を整備。

工程監視システム開発ツール「JoyWatcherSuite」を製造業のお客様向けに提供する東京ガス株式会社様(以下、東京ガス様)と、システム・アプリケーションの開発からインフラの構築・運用までをワンストップで提供する KDDIアイレットは、「JoyWatcherSuite」で収集した SCADA データをクラウド上で可視化・分析する基盤を共同で構築しました。

「JoyWatcherSuite」は、生産設備やユーティリティ設備の監視を支える SCADA として、製造業を中心に幅広い現場で利用されています。
これまでは各工場のオンプレミス環境で利用されるケースが中心でしたが、近年では設備監視に加え、「複数拠点の状況をまとめて把握したい」「収集したデータを比較・分析し、改善活動に活かしたい」といった、SCADA データのさらなる活用に対するニーズが高まっています。

こうしたニーズに応えるため、「JoyWatcherSuite」には、収集した SCADA データをクラウドへ連携するオプション「JoyCloudConnect」が用意されています。

本プロジェクトでは、東京ガス様の製品・SCADA・製造現場に関する知見と、KDDIアイレットの AWS・IoT に関する知見を組み合わせることで、「JoyWatcherSuite」による現場監視の安定性を維持しながら、クラウド上でのデータ可視化・分析まで活用範囲を広げられる環境を整備しました。

現場に閉じていた SCADA データを、クラウドで活かすために

東京ガス様が提供する「JoyWatcherSuite」は、SCADA ソフトウェアの中でも国内トップクラスの導入実績を誇る工程監視システム開発ツールです。
ノンプログラミングで監視システムを構築でき、生産設備だけでなく、電力・空調・ボイラー・コンプレッサー・給排水といったユーティリティ設備の状態も見える化し、監視・記録・通知を通じて、異常の早期発見と迅速な対応を支援します。

「JoyWatcherSuite」は、主に各工場のオンプレミス環境で利用されてきました。現場に近い場所で安定して設備監視を行えるこの構成は、製造現場に適した運用形態として広く採用されています。

一方で近年は、設備監視データの活用に対するニーズが広がっています。
複数工場の稼働状況をまとめて把握したい、拠点ごとの設備状態やアラーム傾向を比較したい、蓄積したデータを分析して改善活動に活かしたいなど、SCADA で収集した情報を工場内の監視にとどめず、より広い視点で活用したいという要望が高まっています。

東京ガス様はこうしたニーズに応えるため、クラウド接続オプション「JoyCloudConnect」を提供。
「JoyCloudConnect」により、「JoyWatcherSuite」で収集した SCADA データをクラウドへ連携することができます。

さらに、クラウドへ連携したデータの可視化・分析まで含めた活用環境を提供するため、SCADA・製造現場に関する知見を持つ東京ガス様と、AWS のクラウドサービス活用における実績と自社 IoT ソリューション「IoTpack for Factory」を持つ KDDIアイレットが連携。

「JoyWatcherSuite」で収集した現場データを、クラウド上で可視化・分析するまでを一貫して提供できる体制の構築に至りました。

東京ガス様の現場知見と KDDIアイレットの AWS 知見。既存環境を変えずに実現した可視化・分析環境

本プロジェクトでは、両社がそれぞれの強みを持ち寄り、役割を分担しています。

東京ガス様は、「JoyWatcherSuite」と、そのクラウド接続オプション「JoyCloudConnect」により、製造現場で収集した SCADA データをクラウドへ送り出す部分を担っています。
「JoyCloudConnect」は、プログラムレスの設定で約30分でクラウド接続が可能なオプションソフトです。AWS IoT Core を経由してデータを転送する仕組みにより、既存の現場環境を変更することなくクラウド連携を実現します。

KDDIアイレットは、自社 IoT ソリューション「IoTpack for Factory」の構成と AWS マネージドサービスを活用し、「JoyCloudConnect」経由で転送された SCADA データの可視化・分析環境を構築しました。

可視化には Amazon Managed Grafana を採用し、現場のセンサーデータをリアルタイムに確認できるダッシュボードを構築。これにより、設備やユーティリティの状態を遠隔からでも確認しやすくなり、日常的な監視の効率化や、複数拠点の状況確認に活用できます。

さらに、Amazon Quick を活用したデータ分析環境も整備。蓄積した SCADA データ を活用することで、リアルタイム監視だけでなく、傾向分析や拠点間比較、継続的な改善活動など、データに基づく運用高度化にも取り組める構成となっています。

両社の連携により、「JoyWatcherSuite」による従来の現場監視を維持しながら、クラウド上での可視化・分析までデータ活用の範囲を広げられる環境が整いました。

「JoyWatcherSuite」画面イメージ
「JoyWatcherSuite」画面イメージ

リアルタイムダッシュボードのイメージ
リアルタイムダッシュボードのイメージ

「JoyWatcherSuite」を起点に広がるデータ活用

「JoyWatcherSuite」を利用するお客様は、これまで各拠点のオンプレミス環境に分散していた SCADA データをクラウド上に集約し、全社横断での比較・分析が可能になります。
現場の監視・制御は従来どおり「JoyWatcherSuite」で継続しつつ、クラウド側でのデータ活用を両立できる点が特長です。

すでに「JoyWatcherSuite」をご利用のお客様にとっては、現在の監視・制御の仕組みを大きく変えることなく、遠隔監視や複数拠点の状況把握、傾向分析、拠点間比較などへデータ活用の幅を広げることができます。

また、これから SCADA の導入を検討されるお客様にとっては、「JoyWatcherSuite」の導入が現場の見える化にとどまらず、クラウドでのデータ活用、さらにはその先の AI 活用への足がかりとなります。

まずは現場の監視・制御から始め、必要になった段階でクラウド側でのデータ活用を重ねていくなど、「JoyWatcherSuite」は製造現場のデータ活用の出発点となる製品です。

今回の取り組みにより、工場内の監視だけでなく、複数拠点の見える化や、蓄積データを活用した分析・改善まで視野に入れた、新たな SCADA 活用の選択肢が広がっています。

自然言語で現場データを照会できる環境へ

今後は Amazon Quick の生成 AI 機能を活用し、「昨日の生産状況は?」といった自然言語で現場データを照会できる環境を実現することで、経営判断に必要な情報を迅速に取得できる仕組みの構築を目指しています。

Amazon Quick を活用したレポートイメージ
Amazon Quick を活用したレポートイメージ

製造現場における IoT データの可視化・分析は、設備稼働の最適化やエネルギー管理の効率化に直結します。

東京ガス様は SCADA と製造現場に関する知見を、KDDIアイレットは AWS・IoT の技術知見を持ち寄り、今後も製造業のお客様のデータ活用を支援してまいります。

なお、KDDIアイレットでは「IoTpack for Factory」をベースに、お客様の既存システムと連携した柔軟な IoT ソリューションを提供しています。

SCADA データのクラウド活用や、製造現場の DX を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

案件名 製造現場の SCADA データをクラウドへ。両社の知見を組み合わせた IoT データの可視化・分析基盤構築
クライアント 東京ガス株式会社様

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