Claude Code を Amazon Bedrock で利用する場合の設定方法|環境変数からチーム展開まで
Claude Code を組織で利用しようとしたとき、こんな課題を感じたことはないでしょうか。
- Anthropic のアカウントで個人課金になり、会社の経費精算が煩雑になっている
- 社内の機密情報が AI モデルの学習に使われないか不安で、全社展開に踏み切れない
- チームメンバーごとに設定がバラバラで、使用するモデルや設定を統一できていない
こうした企業利用の課題を解決するのが、Amazon Bedrock 経由での Claude Code 接続です。本記事では、Amazon Bedrock で Claude Code を使う理由から、ウィザードや環境変数での設定手順、チーム展開・コスト管理まで一通りを解説します。
Claude Code で Amazon Bedrock を使う理由
Claude Code は標準では Anthropic が提供する「Anthropic API」と通信しますが、バックエンドの接続先を「Amazon Bedrock」へ切り替えることも可能です。切り替えると、AWS の認証基盤・請求管理・セキュリティ機能をそのまま使えます。
Anthropic API との違い
接続先が Anthropic API の場合と Amazon Bedrock の場合とでは、いくつかの違いがあります。企業利用の文脈では特に押さえておきたいポイントです。
料金・請求:Anthropic API では Anthropic のアカウントに請求されますが、Bedrock 経由では AWS アカウントに統合されます。既存の AWS 請求と一本化でき、コスト配賦や部門別の利用管理がしやすくなります。
認証方法:Anthropic API では Anthropic の API キーが必要ですが、Bedrock では AWS の認証情報(IAM ポリシー・SSO(シングルサインオン)など)を使います。個別の API キーを各開発者に配布・管理する手間がなくなります。
機能の違い:Bedrock 経由では WebSearch ツールは利用できません(2026年7月現在)。一方、AWS Guardrails によるコンテンツフィルタリングや、VPC エンドポイントを通じたプライベートネットワーク接続など、Bedrock 固有の機能が使えます。
モデル指定:Bedrock では us.anthropic.claude-sonnet-4-6 のように、クロスリージョン推論プロファイル ID(us. プレフィックス)でモデルを指定します。
参照:Amazon Bedrock 上の Claude Code - Claude Code 公式ドキュメント
企業導入で選ばれる理由
Amazon Bedrock 経由を選ぶ理由を4つ挙げます。
データがモデル学習に使われない:Amazon Bedrock では、送信したプロンプトや出力データが Anthropic のモデル学習に使われません。社内の機密情報や個人情報を含む業務でも利用しやすく、AI ツール導入時の情報セキュリティ審査で必ず確認されるポイントです。
IAM によるアクセス管理:誰が Claude Code を使えるかを、AWS IAM(Identity and Access Management)ポリシーで細かく制御できます。部門ごとにアクセス権を分けたり、特定のモデルのみ許可したりすることも可能です。「シャドー AI」のような管理外の利用を防ぎ、組織全体のガバナンスを維持できます。
既存 AWS インフラとの統合:Amazon VPC(Virtual Private Cloud)エンドポイントを利用すればインターネットを経由せずにアクセスでき、Amazon CloudWatch でトークン使用量・コストを監視することもできます。すでに AWS を利用している組織であれば、既存のインフラ管理手法をそのまま活用できます。
AWS の一元請求管理:AWS Consolidated Billing(一括請求)を使えば、グループ会社や子会社を含めた Claude Code の利用料を AWS の請求でまとめて管理できます。部門別のコスト配賦や予算管理もしやすくなります。
事前準備と前提条件
Amazon Bedrock で Claude Code を使い始めるには、AWS アカウント側でいくつか先に済ませておくことがあります。
AWS アカウントで Anthropic モデルへのアクセスを有効にする
Amazon Bedrock で Anthropic モデルを初めて使用するには、AWS アカウントごとにモデルへのアクセスを申請する必要があります。この作業は AWS アカウントごとに一度だけ行なえば完了します。
手順:
- AWS マネジメントコンソールにサインインし、Amazon Bedrock サービスを開きます
- 左メニューから「モデルカタログ」を選択します
- Anthropic のモデル(例: Claude Sonnet 4.6)を選択します
- 「アクセスをリクエスト」からユースケースフォームを送信します
- フォーム送信後、ほぼ即時でアクセスが付与されます
AWS Organizations を使っている場合:PutUseCaseForModelAccess API を使い、管理アカウントから一度フォームを送信することで、子アカウントにも承認が自動的に拡張されます。この呼び出しには bedrock:PutUseCaseForModelAccess IAM 権限が必要です。
この手順を省略すると、Claude Code 使用時に AccessDeniedException エラーが発生します。チーム展開の前に必ず完了させておきましょう。
IAM ポリシーの設定
Claude Code から Amazon Bedrock に接続する IAM ユーザーまたはロールには、以下のポリシーをアタッチする必要があります。
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Sid": "AllowModelAndInferenceProfileAccess",
"Effect": "Allow",
"Action": [
"bedrock:InvokeModel",
"bedrock:InvokeModelWithResponseStream",
"bedrock:ListInferenceProfiles",
"bedrock:GetInferenceProfile"
],
"Resource": [
"arn:aws:bedrock:*:*:inference-profile/*",
"arn:aws:bedrock:*:*:application-inference-profile/*",
"arn:aws:bedrock:*:*:foundation-model/*"
]
},
{
"Sid": "AllowMarketplaceSubscription",
"Effect": "Allow",
"Action": [
"aws-marketplace:ViewSubscriptions",
"aws-marketplace:Subscribe"
],
"Resource": "*",
"Condition": {
"StringEquals": {
"aws:CalledViaLast": "bedrock.amazonaws.com"
}
}
}
]
}
各 IAM アクションの役割は次のとおりです。
- bedrock:InvokeModel:モデルへのリクエスト送信に必要な基本権限
- bedrock:InvokeModelWithResponseStream:ストリーミング応答の受信に必要。Claude Code はこちらを主に使用する
- bedrock:ListInferenceProfiles:利用可能な推論プロファイルの一覧取得に使う
- bedrock:GetInferenceProfile:アプリケーション推論プロファイル ARN を基盤モデルに解決するために使う。この権限がないとリクエスト自体は成功するが、新しいモデルを使うたびに Claude Code が別の形式で1回リトライするため、モデルごとに余分な往復が発生する
- aws-marketplace:ViewSubscriptions・aws-marketplace:Subscribe:初回のモデル呼び出し時に、Amazon Bedrock がバックグラウンドで実行するモデルのサブスクリプション(AWS Marketplace 経由)を許可する。初回アクセスをスムーズに行なうために付与しておく
なお、bedrock:InvokeModel 系の権限が必要になるのは、Claude Code が Amazon Bedrock の Invoke API(InvokeModel / InvokeModelWithResponseStream)を使用しているためです。Converse API には対応していないため、Converse 系の権限だけを付与しても動作しません。
参照:Amazon Bedrock 上の Claude Code - IAM 設定
IAM Identity Center(旧 AWS SSO)を使っている場合は、ユーザーやグループに対してこのポリシーを含む IAM ロールを割り当てることで、個人の IAM ユーザーを作らずに管理できます。部門ごとに使用できるモデルを制限したい場合は、Resource に特定の推論プロファイル ARN を指定することで細かく制御できます。
ウィザードを使った設定手順(初心者向け)
Claude Code v2.1.92 以降では、Bedrock 接続を対話形式でガイドする /setup-bedrock ウィザードが使えます。初めて設定する場合や、設定を変更する場合はこちらが便利です。
/setup-bedrock ウィザードの起動方法
Claude Code を初めて起動する場合:
ターミナルで claude を実行します。ログインプロンプトが表示されたら「3rd-party platform」を選択し、次に「Amazon Bedrock」を選択します。ウィザードが起動し、AWS 認証情報・リージョン・モデルの設定をガイドしてくれます。
すでに Anthropic アカウントでサインイン済みの場合:
チャットプロンプトが表示されている状態で /setup-bedrock と入力します。このコマンドは / メニューには表示されませんが、入力すれば実行できます。
ウィザードが完了すると、設定内容は ~/.claude/settings.json の env ブロックに自動保存されます。環境変数を手動でエクスポートする必要はなく、設定を変更したいときは /setup-bedrock を再実行するだけです。
認証方法の選択と各オプションの特徴
ウィザードでは、AWS への認証方法として以下から選べます。それぞれの特徴と使い分けの目安を紹介します。
AWS プロファイル(~/.aws から自動検出):aws configure や aws sso login で設定済みのプロファイルを使う方法です。すでに AWS CLI を使っている開発者には最もシンプルで、既存の認証設定をそのまま再利用できます。
Bedrock API キー:AWS_BEARER_TOKEN_BEDROCK 環境変数に API キーをセットする方法です。2025年7月に追加された認証方法で、完全な AWS 認証情報を用意しなくても Claude Code を始められます。個人利用や検証環境で手軽に試したい場合に向いています。
アクセスキー・シークレット:AWS_ACCESS_KEY_ID と AWS_SECRET_ACCESS_KEY を使う方法です。シンプルですが、認証情報の漏洩リスクがあるため、開発・検証環境のみの使用が推奨されます。本番環境やチーム展開では避けるのが無難です。
SSO(IAM Identity Center):aws sso login でブラウザ認証を行なう方法です。企業の ID プロバイダーと連携でき、認証情報の期限切れを awsAuthRefresh 設定で自動更新できます。組織全体への展開では最もセキュアな選択肢です。
環境変数を使った手動設定(チーム展開向け)
CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインへの組み込みや、スクリプト化された企業ロールアウトでは、ウィザードではなく環境変数・設定ファイルで手動設定します。
必須の環境変数と設定例
Bedrock 接続に必要な最小構成は、以下の2つの環境変数です。
# Bedrock 統合を有効にする
export CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1
# 使用するリージョンを指定(AWS プロファイルにリージョン設定があれば省略可)
export AWS_REGION=us-east-1
CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1 を設定すると、Claude Code の全リクエストが Bedrock API にルーティングされます。この環境変数が設定された状態では、/login と /logout コマンドは無効になります。認証は AWS 認証情報で管理されるためです。
AWS_REGION は Claude Code v2.1.172 以降では、AWS プロファイルにリージョンが設定されている場合は省略できます。リージョンの解決順序は「AWS_REGION → AWS_DEFAULT_REGION → AWS 設定ファイル → us-east-1(デフォルト)」の順です。/status コマンドで現在解決されているリージョンを確認できます。
SSO を使う場合の設定例を示します。
export CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1
export AWS_REGION=ap-northeast-1
export AWS_PROFILE=my-bedrock-profile
# SSO ログイン(ブラウザが開く)
aws sso login --profile my-bedrock-profile
カスタムエンドポイント(プライベートエンドポイントやゲートウェイ)を使う場合は、ANTHROPIC_BEDROCK_BASE_URL を設定することで接続先を変更できます。
モデルバージョンのピン留め方法
チームへ展開する際は、使用するモデルのバージョンを固定することを強くおすすめします。ピン留めなしでは、Anthropic が新モデルをリリースした際に Claude Code のデフォルトが変わり、チーム全員が影響を受けることがあります。特に Claude Code v2.1.207 以降では、Bedrock でのプライマリモデルのデフォルトが Opus(opus エイリアスは Opus 4.8)になり、ピン留めしないと Opus 料金で課金されます。コストを抑えたい場合は、ANTHROPIC_MODEL や ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL で Sonnet を明示的に指定しておきましょう。
Bedrock では、クロスリージョン推論プロファイル ID(us. プレフィックス)でモデルを指定します。素のファウンデーションモデル ID を使うと「on-demand throughput isn't supported」エラーが出ることがあるため、推論プロファイル ID の使用が基本です。
# モデルをピン留めする環境変数
export ANTHROPIC_DEFAULT_OPUS_MODEL='us.anthropic.claude-opus-4-8'
export ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL='us.anthropic.claude-sonnet-4-6'
export ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL='us.anthropic.claude-haiku-4-5-20251001-v1:0'
アプリケーション推論プロファイル(ARN 指定)を使う場合は次のように設定します。
export ANTHROPIC_MODEL='arn:aws:bedrock:us-east-2:123456789012:application-inference-profile/your-profile-id'
複数のモデルバージョンを /model ピッカーでユーザーが選択できるようにしたい場合は、settings.json の modelOverrides で各バージョンと ARN(Amazon Resource Name)のマッピングを定義します。
利用可能な現在のモデル ID は、AWS マネジメントコンソールの Amazon Bedrock →「推論プロファイル」から確認できます。
参照:Amazon Bedrock 上の Claude Code - Claude Code 公式ドキュメント
settings.json を使ったチーム配布設定
チーム全体に統一設定を配布する場合は、~/.claude/settings.json(または管理者が配布する設定ファイル)の env ブロックを活用します。
{
"awsAuthRefresh": "aws sso login --profile my-bedrock-profile",
"env": {
"CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK": "1",
"AWS_REGION": "us-east-1",
"AWS_PROFILE": "my-bedrock-profile",
"ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL": "us.anthropic.claude-sonnet-4-6",
"ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL": "us.anthropic.claude-haiku-4-5-20251001-v1:0"
}
}
awsAuthRefresh に SSO ログインコマンドを設定すると、認証情報の期限切れを Claude Code が自動検出してリフレッシュを実行します。ブラウザベースの SSO フローに対応しており、URL やコードを表示して認証を促します。
段階的導入のアプローチ:全社一斉展開はリスクが高いため、3つのフェーズに分けて進めることをおすすめします。
- Phase 1(PoC:概念実証):個人または2〜3名の小チームで Bedrock 接続を試し、設定内容・コスト・使い勝手を確認します
- Phase 2(チーム展開):PoC の結果を踏まえて settings.json を整備し、部門や担当チームに展開します。IAM ポリシー・Guardrails の設定もこの段階で整備します
- Phase 3(全社展開):複数チームでの効果を確認し、CloudWatch 監視・コスト管理の体制を整えたうえで全社へ広げます
各フェーズで設定の問題点やユースケースをフィードバックして次のフェーズに活かすことで、組織全体への導入がスムーズになります。
運用とコスト管理
Bedrock での Claude Code 運用では、コスト管理・セキュリティ強化・障害対応の3つが継続して取り組む領域になります。
料金体系とプロンプトキャッシュによるコスト最適化
基本料金:Amazon Bedrock での Claude Code の利用料は、Anthropic API と同額の従量課金です。モデルによって異なり、使用したトークン数に応じて課金されます。料金はリージョンによって異なる場合があり、また変動することがあるため、実際の利用リージョンでの最新料金は Amazon Bedrock の公式料金ページで必ず確認してください。
参考として、2026年7月時点での Claude Sonnet 4.6 の料金目安(米国東部リージョン・オンデマンド)は以下のとおりです。実際の料金は公式ページで確認してください。
Claude Sonnet 4.6 を使った場合のコスト試算(参考):
| 利用規模 | 月間入力トークン | 月間出力トークン | 概算月額(USD) |
|---|---|---|---|
| 個人開発者 1名 | 10M | 5M | 約 $105 |
| 開発チーム 10名 | 100M | 50M | 約 $1,050 |
| 大規模展開 50名 | 500M | 250M | 約 $5,250 |
※上記は概算です。実際のコストはプロンプトキャッシュの活用度・モデル選択・リージョンにより変わります。最新の料金は公式ページで確認してください。
プロンプトキャッシュ:Claude Code はデフォルトでプロンプトキャッシュを活用しています。繰り返し使われるコンテキスト(コードベース全体の読み込みなど)がキャッシュされると、キャッシュヒット時の入力コストをキャッシュ未使用時と比べて大幅に削減できます。リージョンやモデルによって対応状況が異なるため、キャッシュトークンカウントがゼロのままの場合は Bedrock のサポート対象リージョン・モデルを確認してください。
1時間キャッシュ(デフォルトは5分)を使いたい場合は、ENABLE_PROMPT_CACHING_1H=1 を設定します。ただし1時間キャッシュは5分キャッシュより書き込みレートが高いため、実際のワークロードで比較してから判断するのが確実です。キャッシュを無効にしたい場合は DISABLE_PROMPT_CACHING=1 を設定します。
サービスティア:ANTHROPIC_BEDROCK_SERVICE_TIER 環境変数を使って、コストとレイテンシのバランスを選択できます。default・flex・priority から選択できますが、ティアの利用可否はモデルとリージョンによって異なります。
大規模利用時のコスト最適化:開発チーム全体で月間数百万トークン以上を使用する場合は、Amazon Bedrock のプロビジョンドスループットを検討します。一定のスループットを事前予約することでオンデマンド料金より割安になります。利用パターンを数ヶ月分把握してからプランを選定すると、過剰投資のリスクを抑えやすくなります。
Amazon CloudWatch によるコスト監視:Amazon CloudWatch では、Amazon Bedrock のトークン使用量やリクエスト数のメトリクスを確認できます。ダッシュボードとアラートを設定することで、予算超過を事前に検知できます。Amazon CloudWatch Logs にリクエストログを記録することで、監査証跡の整備にも役立ちます。AWS Cost Explorer での部門別コスト把握とあわせて活用してください。
Guardrails によるセキュリティ強化
Amazon Bedrock Guardrails を使うと、Claude Code のリクエスト・レスポンスに対してコンテンツポリシーを適用できます。有害コンテンツのブロック・個人情報の検出・特定トピックへのアクセス制限など、組織のセキュリティポリシーを一貫して適用できます。
Guardrails を Claude Code に適用するには、ANTHROPIC_CUSTOM_HEADERS 環境変数に Guardrail の ID とバージョンを指定します。
export ANTHROPIC_CUSTOM_HEADERS="X-Amzn-Bedrock-GuardrailIdentifier: your-guardrail-id
X-Amzn-Bedrock-GuardrailVersion: 1"
または settings.json の env ブロックに追加します。
{
"env": {
"CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK": "1",
"ANTHROPIC_CUSTOM_HEADERS": "X-Amzn-Bedrock-GuardrailIdentifier: your-guardrail-id\nX-Amzn-Bedrock-GuardrailVersion: 1"
}
}
Guardrails の作成・管理は Amazon Bedrock コンソールから行ないます。作成後はバージョンを発行してから、上記のヘッダー設定で ID とバージョンを指定します。クロスリージョン推論プロファイル(us. プレフィックス)を使っている場合は、Guardrail 側でもクロスリージョン推論を有効にしておく必要があります。組織全体で統一したコンテンツポリシーを適用したい場合は、管理者が Guardrails を作成し、settings.json 配布時にヘッダー設定を含めることで全員に適用できます。
トラブルシューティング(よくあるエラーと対処法)
AccessDeniedException
最もよくあるエラーです。AWS マネジメントコンソールから Anthropic モデルへのアクセス申請(ユースケースフォーム)を完了していない場合に発生します。Amazon Bedrock コンソール→モデルカタログ→Anthropic モデルを選択→ユースケースフォームを送信することで解決します。
また、IAM ポリシーに bedrock:InvokeModel や bedrock:InvokeModelWithResponseStream が含まれていない場合も発生します。IAM ポリシーのアクション設定を確認してください。
on-demand throughput isn't supported
モデル ID に素のファウンデーションモデル ID(anthropic.claude-* 形式)を指定した場合に発生することがあります。us.anthropic.claude-* 形式のクロスリージョン推論プロファイル ID に変更することで解決します。モデル ID は次のコマンドで確認できます。
aws bedrock list-inference-profiles --region your-region
/logout コマンドが無効
CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1 が設定されている場合、/logout は機能しません。これは仕様で、認証は AWS 認証情報で管理されるためです。Bedrock 利用を停止したい場合は、設定ファイルや環境変数から CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK の設定を削除してください。
AWS リージョンエラー
選択したリージョンで Anthropic モデルが利用できない場合に発生します。全モデルが全リージョンで使えるわけではありません。/status コマンドで現在のリージョン設定を確認し、必要であれば AWS_REGION を変更してください。
SSO 認証ループ
AWS SSO を使用していてブラウザタブが繰り返し開かれる場合は、企業 VPN や TLS 検査プロキシが SSO ブラウザフローを中断している可能性があります。Claude Code が中断を認証失敗として扱い awsAuthRefresh を繰り返し実行することで無限ループに入ります。この場合は settings.json から awsAuthRefresh を削除し、Claude Code 起動前に手動で aws sso login を実行するようにしてください。
参照:Amazon Bedrock 上の Claude Code - Claude Code 公式ドキュメント
関連事例
Amazon Bedrock(Claude)を活用した生成 AI 基盤の構築事例を紹介します。Claude Code の組織展開を検討する際の参考にしてください。
- パートナーや業務委託先も含めた AI 活用環境を構築!Amazon Bedrock(Claude)による生成 AI チャットシステムで EC 業務を標準化:クロスアカウント構成とアクセス制御でセキュアな生成 AI 基盤を構築し、予算上限に応じたモデル切り替えでコストを管理した事例です。IAM・ガバナンス・コスト管理の考え方が参考になります。
- わずか3日間で組織の知的資産を可視化!Amazon Bedrock(Claude)活用で Slack に埋もれた暗黙知を自動発掘:Amazon Bedrock 上の Claude Sonnet 4.5 を使い、Slack の膨大なログから知見を自動抽出したアイレット自身の事例です。サーバーレス構成でコストとセキュリティを両立しています。
最後に
Amazon Bedrock 経由の Claude Code 設定について、事前準備から設定手順・運用管理まで解説しました。
企業での試し方としては、個人の開発環境に CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1 と AWS_REGION を設定し、ウィザードで認証を通してみるのが最初の一歩です。動作を確認できたら settings.json に設定を書き出してチームに展開し、IAM ポリシー・Guardrails・CloudWatch 監視を順番に整備していくのが現実的な進め方です。
KDDIアイレットでは、Amazon Bedrock を活用した生成 AI 基盤の構築支援・IAM 設計・コスト最適化支援を行なっています。「組織に合った Bedrock の設定方法を相談したい」「チーム展開の設計を一緒に考えてほしい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。PoC 段階から一貫してサポートし、全社展開・運用定着まで継続的に支援しています。
ページ監修者
システムエンジニアとして、生成 AI を活用したソリューションの検証と構築に従事。 特に Amazon Bedrock を主軸としつつ、複数の LLM(大規模言語モデル)を比較評価し、コストと性能の最適解を追求する知見を持つ。また、複雑なビジネス要件を的確に満たすプロンプトエンジニアリングにも精通。
・2026 Japan AWS All Certifications Engineers
・2026 Japan AWS Top Engineers
・2026 AWS Community Builders
・2025 Japan AWS All Certifications Engineers
・2025 Japan AWS Top Engineers
・2025 AWS Community Builders