RAG 型チャットボットで社内のナレッジ検索をもっと気軽に！生成 AI を活用し人的ミスを防止する開発プロジェクトの内製化を支援株式会社ウエスコ様のクラウドを活用した導入事例

https://www.wesco.co.jp

掲載日：2024年12月26日

株式会社ウエスコ様は、社内のナレッジ検索効率化・高度化を目指し、生成 AI を活用したチャットボットを導入しています。本開発をアイレットが担当いたしました。

ミス再発防止のためのナレッジ共有に RAG を導入するも、社内に浸透せず。社員にとって使いやすい生成 AI が必要に

株式会社ウエスコ様（以下、ウエスコ様）は、西日本を拠点として地域に根ざした事業を展開する総合建設コンサルタント。「未来に残す、自然との共生社会」という企業理念のもと、道路・鉄道・橋・港湾・空港などの交通インフラや、電気・ガス・上下水道などのライフライン、ダムや堤防・防波堤などの防災施設など、人びとの暮らしを支えるインフラ整備に携わり、計画・調査・設計・施工管理・運営に関する総合的なコンサルティングを行なっています。

同社はさらなる技術力および品質向上を目指し、過去の設計ミスの再発防止に注力しています。しかし、ナレッジとなる社内資料が膨大にあるため、知りたい情報に辿り着くまでに多くの労力を要していました。その対策として、生成 AI を活用した RAG^* システムを外部ベンダーに依頼して開発しましたが、社内で活用するユーザーが少なく、なかなか浸透しないという課題を抱えていました。

そこで、より便利で使いやすい生成 AI チャットボットを開発すべく、アイレットにご依頼いただきました。

*RAG：Retrieval-Augmented Generation の略。日本語では検索拡張生成と訳されています。RAG を使用することで、生成 AI が事前に学習させた社内のデータなどから回答をすることが可能になります。

将来的な社内運用を前提とした設計と引き継ぎ資料作成で内製化を支援

インフラ構築には Google Cloud のマネージドサービスを活用し、AI ソリューションの構築には Vertex AI を利用しています。また、包括的な開発プラットフォームの Firebase を使用することでセットアップにかかる時間を削減し、効率的な開発を実現しています。フロントエンド開発には、Tailwind CSS と Headless UI の Radix UI をベースに構築された shadcn/ui を使用しています。高いカスタマイズ性を備え、少ない工数でレスポンシブデザインをはじめ、さまざまな UI のご要望に柔軟に対応しています。チャットボットは RAG を活用してこれまでに業務上で発生したミスなどに関するデータソースを参照するチャットボットのほか、通常の Gemini のチャットボットも実装。今後、データソースを増やしていくことも可能となっています。

チャットボットの UI/UX 設計では、回答の根拠を確認できるよう参照元ファイルへのリンクも出力させることで、システムから該当ファイルを直接確認できる仕組みを実装しています。また、チャットボットの回答内容から関連する質問をサジェストする機能や、データソースごとに会話履歴を絞り込むことで会話履歴を選択できるようにしたり、対象のデータソースがひと目で分かるようにラベルを付与したりと、ユーザーの使いやすさを考慮した UI/UX を追求しています。なお、個人を特定するような内容は出力させないようにする制御も実現しています。

チャットボット 回答画面イメージ

本システムは、将来的にお客様の社内で運用を内製化することを目指していたため、データソースを追加しやすい設計や、引き継ぎ資料の作成など、内製化しやすい構成への対応もしております。

生成 AI 活用に興味のある方や、導入方法に悩まれている方、内製化の進め方に課題を感じている方は、生成 AI を活用したお客様の課題解決や価値創造に知見・ノウハウを持つアイレットまで、ぜひお気軽にお問い合わせください。

システム構成図

使用プロダクト

◾️Google Cloud
　・Vertex AI
　・Gemini
　・Cloud Run
　・Cloud Storage
　・Firebase
◾️Next.js
◾️shadcn/ui
◾️FastAPI

案件名	RAG 型チャットボットで社内のナレッジ検索をもっと気軽に！生成 AI を活用し人的ミスを防止する開発プロジェクトの内製化を支援
クライアント	株式会社ウエスコ様