導入事例
CASESTUDY

Jリーグ.jp(日本プロサッカーリーグ)公益社団法人 日本プロサッカーリーグ様、株式会社Jリーグメディアプロモーション様のクラウドを活用した導入事例

https://www.jleague.jp/

Jリーグ.jp(日本プロサッカーリーグ)

掲載日:2015年9月1日

Jリーグの試合速報や順位表など、最新情報を集めたJリーグ.jp

Jリーグ.jpは、試合開催日は数万人が一斉にアクセスして試合速報等を閲覧するようなアクセス特性があり、「試合開催日と非開催日でアクセス数が大きく異なり、非開催日はサーバーリソースに余剰が発生してしまう」といった課題がありました。

これに対してcloudpackは、大規模なWebサイトやキャンペーンサイトの運用で培った経験を活かし、以下の運用をご提供しています。

・アクセス数の増減に影響する要因(試合開催日の対戦カードや各試合の開始時刻・ハーフタイム・終了時刻・天候等)をもとに、精度の高いアクセス予測を行い、インフラの拡大・縮小を計画・実施
・お客様と定例会を行い、アクセス予測と実際の結果についてご報告を実施
・Webサイトで提供されるコンテンツに対して、特にサーバーリソースに影響する箇所を分析し、よりリソース低減(=コストダウン)やインフラの柔軟性が確保できるアーキテクチャをご提案。コンテンツ会社様と連携し、実装に至るまでフォローを実施
・サーバの持つ本来の性能を引き出すために、カーネルレベルでチューニングを実施(15%程度のパフォーマンス向上を達成)
・インフラ作業について徹底的に自動化を実施し、人的ミスの発生を抑止
・日々、アクセス傾向とサーバーリソースの状況を確認し、平時と異なる傾向が見受けられる場合は調査を実施

フルマネージド型の運用サービスは、監視アラートが上がってから調査・対応を行う事が一般的ですが、監視アラートが上がってからの対応では既にサービスに影響をきたしているケースも少なくありません。cloudpackは、お客様のシステムの特性を理解した熟練のエンジニアが監視アラートが上がる前に必要な対策を講じる事で、障害の未然防止を行い、お客様の求めるサービスレベルを達成する事に尽力しています。

Jリーグ公式サイト

Jリーグ公式サイト サーバー構成図

Jリーグ公式サイト モニタリング

インタビュー

今回AWSに移行したサービスは、どのようなものでしょうか?

Jリーグではもともと「Jリーグ公式サイト」をオンプレミス環境で運用していたのですが、AWSの環境に移行しました。このサイトは試合日に非常にアクセスが集中するサービスですが、最適化していきたいというのが今回の狙いでした。

オンプレ時代に抱えていた課題はどういったものでしたか?

課題は極めてシンプル。

我々のサイトは極めてピーク性の高いサービスで、通常時とピーク時を比べると20倍以上の違いがあるため、ピークに合わせたインフラ投資が必要だったことです。サービスの特性上、ユーザーのアクセスは1日単位ではなく、試合が行われる前後を含め3−4時間にアクセスが集中します。1週間でみるとJ1・J2・J3の試合を含めても週のうちせいぜい3日がピーク、そして残りの4日はアクセスが少なく平常運転状態になってしまうので、以前のようにピークに対して安全率を掛けて設備を用意するとコストがかさんでしまいます。

また、サイトを訪れるユーザーに喜んでもらいたい一心でコンテンツを拡充すると当然アクセスが増えますが、さらに負荷の山が高くなるだけ状態でした。公式情報なども掲載していることからサービスを落とすことができないため、非常に大きな悩みの種でした。

色々な会社を検討されたと思いますが、cloudpackに依頼する決め手はなんでしたか?

cloudpackさんにご提案いただいた内容の1つである「バースト保障」のようなサービスの安心感は非常によかったのですが、コストだけでいうと他のクラウドサービスの方が安い提案もありました。ただし、我々の選定の軸足は別にあり、クラウドサービスの導入サポートを誰がどのような形で対応していただけるのかといった点を重要視していました。実際に社内でもサービスの運用をしていますが、テクニカルスタッフが潤沢にいるわけでないので極端にいうと何かのアクションに対して受動的に動くようなやり方をしてしまうと見えないコスト(コミュニケーションやスピードに関する部分)が増えてしまいます。先回りしてプロアクティブにご提案していただける関係性があるだけで見えないコストも下がりますし、仕事のスピードも上がると考え、cloudpackさんはそのような動きが期待できると判断したためお願いしました。

cloudpackとビジネスを進めて、どのように課題が解決されていきましたか?

Jリーグ.jpは非常にピーク性のあるサイトで、ユーザーのアクセスが集中してもサイトのパフォーマンスを落とさない運用ができていることだと思います。試合は毎週行われますので、試合の組み合わせと天候から試合時のアクセス数を予測した上でサーバー台数を決定して、試合時もサーバーのパフォーマンスを常にウォッチしていただけているため、安心して試合を迎えることができています。

また、試合が終わった後も、実際のアクセス傾向やサーバー性能の利用率等の結果を可視化してご報告いただき、よりレスポンスやコスト面で改善できる部分があれば都度提案をいただけていますし、必要な時だけサーバーを増強する運用ができているため無駄なコストを、大幅に削減できました。もちろん、質が落ちることなく既存環境以上に安定した運用ができるようになったとも思っていますし、当初想定通りプロアクティブに動いていただけていますので大変満足しています。

クラウドの強みやクラウドの良さを活かして、これまでできなかったような実現したいサービスはありますか?

Jリーグ全体では52クラブのWebサイトがあり、さまざまな環境で運用しています。各クラブがニュースやコンテンツなどの情報発信をしていますが、対戦相手チームの写真素材やニュースなどの情報をデータとしてシェアできる環境は現在ありません。そのような情報共有する環境を用意して、各クラブも写真や公式記録やスタッツ、トラッキングデータなどの情報をシェアして、各クラブのサイトのコンテンツとして掲載できると面白いですし、盛り上がるのではと思っています。

現状はJリーグ.jpの1サイトですが52サイトが増えた時に、やはりアクセスが集中するのは試合時になる特性があります。52倍にはならないとしてもクラウドが持つフレキシビリティや環境の大きさを考えるとこういったこともできるのではないかなと思っています。

さらに、フロントの情報だけでなくログデータなどもうまく利用してマーケティングに使うことができれば、もう一段違ったサービスの提供もできると思うのでそういったチャレンジもしていきたいです。我々がベンチマークにしているアメリカのプロスポーツで、MLS(メジャーリーグサッカー)などもそうですが、彼らは環境をきちんと整備して、広告配信システムやユーザー情報なども含めたリッチなサービスを安全な環境で各クラブが利用できるようにしています。ヨーロッパでもアメリカをベンチマークにしているようなので、今後世界標準になるのではと思っています。

ビジネスのパートナーとしてcloudpackに要望があれば教えていただけませんか?

インフラの話だけでなく、サービスを面白くするためにお互いに先回りしながら、提案しあうパートナーのような関係でプロジェクトを進められればと思っています。現状提供しているサービスで100%終わりというわけではなくて、日々いろいろな企画を考えており、今以上の情報提供やサービスを利用しているファン・サポーターに対してサービスの拡充をしたいと思っています。今まではできなかったところも含めて、フレキシブルに対応できる特性を活かしながら、サービスを提供していきたいと強く思っていますので、そういった点含めてぜひご提案をよろしくお願いいたします。

お客様のビジネスやサービスの成功に寄与する「人による運用」の大切さ

cloudpackイベント対応チーム

Jリーグ様のプロジェクトを進めるにあたり、我々は2つのシンプルなゴールを設定しました。

・絶対にサービスを落とさない
・クラウドのメリットを最大限に活かしてコスト効率を最大化する

結果としてこのゴールを達成し、現在もPDCAを回して進化させています。このゴールを達成するためにたくさんの運用施策を実施しており、その中でも最も大切にしているのは「人による運用」です。

Jリーグ様・コンテンツ開発会社と密なコミュニケーションを行い、追加するコンテンツがサーバーに与える影響を事前・事後ともに共有し合い、チューニングや構成の改善が可能であれば能動的にご提案しています。よくあるコンテンツやアプリとインフラの責任分界の狭間にできる壁は、このプロジェクトでは存在しません。

また、我々自身も実際にサッカースタジアムに足を運び、お客様のサービスを積極的に理解するように努めています。これにより、対戦カードや同時試合数、順位の入れ替えの可能性や天候等を総合的に勘案し、高い精度で事前にアクセス予測を立て、用意すべきインフラスペックを決定しています。

インフラ運用は「監視アラートが発生したら対応する」という受動的な対応が一般的ですが、我々のインフラ運用は違います。お客様のビジネスやサービスを理解することで、高い精度の予測とシミュレーションを事前に行い、「何かが発生する前に対応する」を実現しています。

イベントでWebサイトがダウンしてしまうなどの悩みをお持ちのお客様や、サービスの詳細やご相談などをご希望の場合はご連絡ください。

使用しているサービス

案件名 Jリーグ.jp(日本プロサッカーリーグ)
クライアント 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ、株式会社Jリーグメディアプロモーション様
ミドルウェア
  • Apache
  • PHP
  • MySQL
  • postfix
AWSプロダクト
  • Amazon EC2Amazon EC2
  • Amazon S3Amazon S3
  • Amazon RDSAmazon RDS
  • Elastic Load BalancingElastic Load Balancing
  • Amazon CloudWatchAmazon CloudWatch
cloudpackサービス CentOS 6.6 を利用
EBS のスナップショットによる世代管理された、定期的なバックアップ
各種監視サービス
試合時のインスタンス増減対応

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