クラウド移行による変更点を最小限に抑える!VMware Cloud on AWS を活用した大規模ハイブリッド基盤構築株式会社タダノ様のクラウドを活用した導入事例
掲載日:2023年3月31日
VMware Cloud on AWS を活用した大規模ハイブリッド基盤構築
株式会社タダノ様(以下、タダノ様)は、建設用クレーン、車両搭載型クレーン及び高所作業車等の製造販売を行う企業です。LE(Lifting Equipment)世界 No.1 を目指し、高速道路、高層ビルといった巨大建築物からマイホームづくりまで、国内外のものづくりを支えています。同社はビジネスの俊敏性向上や BCP 対策強化、コスト削減などを実現すべく、オンプレミス環境からパブリッククラウド環境への移行を計画しました。アイレットが企画から環境構築、移行、オンボーディングまでをワンストップで支援させていただきました。
俊敏性・信頼性の向上、管理・運用コスト抑制を目指すも、クラウド移行による学習コストが課題に
同社は100台を超える業務サーバーをオンプレミスの VMware 環境で運用していました。しかし、ハードウェアの調達リードタイムや故障、管理・運用コスト(老朽化に伴う更新作業など)に課題を感じていました。そこで、より俊敏性や信頼性が高く、管理・運用コストを抑制できるパブリッククラウドへの移行を計画されました。
しかし、パブリッククラウドへの全面的な移行は運用環境の変化に伴って学習コストの増大が大きな障壁となっていました。そこでアイレットは、既存の VMware 環境をそのままクラウド上に移行できる、VMware Cloud on AWS の活用をご提案しました。既存環境からの変更や影響を最小限に抑える非破壊的な移行を実現しつつ、俊敏性や信頼性の向上、コスト抑制といったパブリッククラウドのメリットを最大限に発揮できるようなアプローチを採用いたしました。
VMware Cloud on AWS に移行する領域と AWS に移行する領域を精査。システム/サーバーを一つずつ検証し、移行戦略を策定
今回のプロジェクトでは、企画フェーズからお客様と共創し、環境構築、移行、オンボーディングまでワンストップで支援させていただきました。支援の流れは次の通りとなります。
- 事前調査や仮説の立案といったアセスメント計画の策定
- 社内上申のための資料作成サポート
- 移行方針や移行モデルの策定
- オンプレミス上で利用していたソフトウェアをクラウドサーバー上で使うためのライセンス移行手続き
- 移行に伴う変更点の検証・論点整理
- 移行実施
- 移行後のユーザー教育
そして、既存環境の利用状況を調査した結果、VMware Cloud on AWS にそのまま移行できる領域と、ネイティブな AWS のサービスに移行が必要な領域があることが判明しました。そこで、100台を超えるサーバーをグルーピングしながら、それぞれの移行戦略を策定しました。Retire(サーバーの廃止)、Retain(そのまま保持)、Relocate(VMware Cloud on AWS への単純移行)、Rehost(Amazon EC2 への単純移行)、Refactor(新規アーキテクチャへの作り直し)など、7つの移行戦略モデルに基づいて、初期費用やランニングコスト、仕様面などを総合的に検討しながら分類しました。
VMware Cloud on AWS への移行に関しては、AWS 上でオンプレミス環境と同じ VMware 環境を活用しました。同一アーキテクチャ基盤を利用することで、移行後の変化やユーザーの学習コストを最小限に抑えるようにしました。
一方、AWS マネージドサービスを利用することで信頼性の向上が期待できるシステムに関しては、AWS マネージドサービスを積極的に採用しました。バックアップ基盤に関してはコストの安い AWS マネージドサービスであるスナップショット機能を主軸に採用し、VMware Cloud on AWS 上で稼働する仮想マシンは AWS と親和性の高いバックアップソフトウェアを採用することでバックアップジョブの一元管理を行なえております。
移行工数や変化・影響を最小限に抑えつつ、高い俊敏性と信頼性を持つハイブリッド基盤を実現!
今回のご提案が実現した結果、大規模な移行にかかる工数をできるかぎり削減しながら、より俊敏性と信頼性に優れたパブリッククラウド環境を構築することが可能になりました。移行後の変化や影響も最小限に抑えたことで、既存環境での業務に慣れている担当者のスキルをそのまま活用できるようになり、スムーズに新環境での運用をスタートさせることもできました。また、クラウドに移行することで今後のハードウェアの管理・運用コストを抑制することもできました。
パブリッククラウド活用のメリットを最大化するためには、単一のプラットフォーマーにこだわらず、各プラットフォームのメリット、デメリットを踏まえた最適な構成を計画する必要があります。今回、移行プロジェクトをワンストップでお任せいただけたからこそ、お客様の利用環境や目的に合わせた DX を実現するアイレットの提案力・技術力を最大限に発揮できたと考えております。
今後もアイレットはお客様のニーズや課題解決に寄り添った開発・構築にチャレンジし、ビジネス成長に直結する DX の実現に貢献してまいります。
案件名 | クラウド移行による変更点を最小限に抑える!VMware Cloud on AWS を活用した大規模ハイブリッド基盤構築 |
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クライアント | 株式会社タダノ様 |
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