導入事例
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セキュリティと可用性を備えた運用品質の要件定義から内製化支援まで一気通貫でコンサルティング支援。スタートアップの事業成長を加速させる Web システム開発株式会社Atomis様のクラウドを活用した導入事例

https://www.atomis.co.jp

セキュリティと可用性を備えた運用品質の要件定義から内製化支援まで一気通貫でコンサルティング支援。スタートアップの事業成長を加速させる Web システム開発

掲載日:2025年9月5日

お客様の課題

  • テスト環境は構築できているが、本番環境として運用していくには改善が必要だった
  • 可用性やセキュリティといった非機能要件を考慮する必要があった
  • 危険物を取り扱うシステムのため高度なセキュリティ対応を求めていた

対応と結果

  • 運用品質を含めた要件定義とコンサルティングを行ない、AWS マネージドサービスを活用してセキュリティ・可用性を担保したシステムを設計・構築
  • 要件や設計の根拠になる情報を文書化し、内製化を推進

株式会社Atomis 様は、次世代高圧ガス容器「CubiTan」を管理・活用する Web 統合システム「CubiLoop」を開発しました。アイレットはシステムに求められるセキュリティや可用性といった運用品質の要件定義から伴走し、技術コンサルティングを通じて設計・構築・内製化支援まで対応させていただきました。

高可用性とセキュリティ対応が求められる Web システムだからこそ不可欠だった、要件定義からの技術コンサルティング

株式会社Atomis 様(以下、Atomis 様)は、京都大学の研究成果を基盤に設立されたスタートアップ企業です。独自開発した多孔性配位高分子(PCP/MOF)素材を活用し、エネルギーや環境分野の社会課題に挑むソリューションを展開しています。また、プロダクト開発にとどまらず、PCP/MOF を軸としたシステムおよびサービス提供を強みとし、分散型社会を支える新たなガス流通の仕組みづくりを推進しています。

その中核となるのが、次世代高圧ガス容器「CubiTan(キュビタン)」と、その利用状況や流通情報を一元管理する Web 統合システム「CubiLoop(キュビループ)」です。CubiLoop は、容器の所在・使用状況を可視化し、危険物である高圧ガスの安全かつ効率的な利活用を支援するインフラシステム。Atomis 様は、素材開発からデジタル管理システムまでを包括的に提供することで、分散型のカーボンリサイクル社会の実現を目指しています。

Atomis 様では、CubiLoop のシステムを自社開発しテスト環境で稼働していましたが、危険物である高圧ガスを取り扱う関係から、商用環境では可用性やセキュリティといった運用品質の向上が必須となっていました。また、本番運用レベルのインフラ設計に関する知見・ノウハウが必要だったことから、要件定義の段階から技術的なコンサルティングを求めてアイレットにご相談いただきました。

必要な機能レベルや運用ルールを定義し、内製化を見据えて文書化。Terraform や Ansible を活用した IaC により、再現性と拡張性の高いインフラ環境を構築

本プロジェクトでは、CubiLoop のシステム要件を明確化するため、要件定義の段階から技術的な視点でコンサルティングを行ないました。本番・検証・開発の3環境それぞれに対して、稼働率や障害復旧目標(RTO/RPO)、設計根拠などを含めた運用品質の整理を行ない、セキュリティ、可用性、性能といった観点で求められる機能レベルを可視化。特に、危険物である高圧ガスを扱うサービスであるため、セキュリティ要件の整理には細心の注意を払いました。

設計・構築フェーズでは、本番環境はマルチ AZ 構成、検証環境はシングル AZ 構成を採用。耐障害性とコスト最適化のバランスを両立しました。バックエンドの負荷分散には ALB を導入し、Amazon CloudFront の VPC Origin 機能と組み合わせることでセキュリティの向上と冗長化を実現。さらに、Amazon CloudFront の標準ログ v2 を利用し、Amazon Athena でコスト効率の良いログ分析を行なう事が可能です。

また、Amazon Aurora に蓄積したデータを AWS Lambda 経由で定期的に抽出したいというご要望を受けて、Amazon EventBridge との連携を設計・実装。システム運用の自動化と効率化も考慮しました。

さらに、Terraform と Ansible を活用した Infrastructure as Code(IaC)により、構築の品質と再現性を高めるとともに、将来的な構成変更にも柔軟に対応可能な環境を整備。Amazon Route 53 によるドメイン委譲の対応も含め、インフラ領域をトータルにサポートしました。

要件定義から構築、運用設計に至るまで伴走しながら、Atomis 様の内製化を意識した資料提供や設計根拠の文書化も行ない、将来的な自立運用の推進にもつなげています。

運用品質の要件定義からコンサルティングを行ない、質の高い Web システム構築を実現した今回のアプローチは、スタートアップ企業にとっても有効な手段です。また、運用品質の要件定義は生成 AI を活用することでも一定のアウトプットは得られますが、「どこまで定義すべきか」「実際に運用していく上で実現可能か」といった判断には、やはり実務で培った知見・ノウハウが必要です。

アイレットは、お客様の状況やニーズに合わせて要件整理を行ない、現実的な設計・構築へとスムーズに橋渡しできることを得意としています。スタートアップからエンタープライズまで、事業内容や事業フェーズ、運用体制などに応じた柔軟なクラウド活用をご提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。

案件名 セキュリティと可用性を備えた運用品質の要件定義から内製化支援まで一気通貫でコンサルティング支援。スタートアップの事業成長を加速させる Web システム開発
クライアント 株式会社Atomis様

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