ガバメントクラウドへの移行をわずか2ヶ月で実現! 稼働後もプロアクティブな運用保守で継続的に改善洲本市様のクラウドを活用した導入事例

掲載日:2025年3月28日
洲本市様のガバメントクラウド移行を KDDI グループで迅速構築と柔軟な対応を実現
淡路島に位置する人口約4万人の洲本市は、自治体 DX の先進モデルとして、2023年12月にガバメントクラウドへの本格的な移行を開始しました。アイレットは、KDDI グループの一員として、ガバメントクラウドの導入と導入後の運用保守を行なっています。
洲本市様のガバメントクラウドの導入について、企画情報部 DX 推進課の多畑様にお話を伺いました。
お客様の課題
- クラウド移行に伴い、複数のベンダーとの契約手続きや各種調整の負担を懸念していた。
- 冗長構成における副回線有効活用を希望しつつも、回線利用料上昇への不安があった。
- パブリッククラウドの利用経験や、接続回線に関する知識が不足していた。
- デジタル庁が提示するガバメントクラウド接続サービスのコストが高額であり、小規模な団体では導入が難しかった。
- アクティブ・スタンバイ構成では、スタンバイ回線が使われないことによる非効率さを感じていた。
対応と結果
- 両アクティブ構成により、有効なコスト活用と最適化を実現し、回線コストを大幅に圧縮。
- ガバメントクラウドに関するデジタル庁の規定やガイドライン策定前にもかかわらず、円滑なコミュニケーションにより、わずか2ヶ月での構築を実現。
窓口 DX の推進から、デジタル庁が進めるガバメントクラウドを早期採用
洲本市様では、デジタル田園都市国家構想交付金を利用した窓口 DX を推進するにあたり、デジタル庁が進めるガバメントクラウドプロジェクトに早い段階から参加されていました。
「DX 推進の基本方針やビジョンは令和5年3月までに策定する必要があり、本市でもパブリックコメントを経て作成・公開しました。DX 推進計画は国の方針を基にしつつ、将来の構想も盛り込み、実現可能な内容にしています。」
「(ガバメントクラウドへの早期着手の背景として、)デジタル田園都市構想交付金を利用して窓口 DX のシステムを構築することになっており、その窓口 DX の前提としてガバメントクラウドを利用する必要がありました。」
ワンストップでのプロジェクト推進と、それを支える技術力が選定の決め手
複数の関係者が登場するガバメントクラウドの運用管理において、窓口を減らしたいというニーズから、ネットワークからクラウド構築、運用管理補助業務までを KDDI グループでワンストップで提供できる点を評価いただきました。
「当時はガバメントクラウドの利用経験も接続回線に関する知識もなかったため、アイレットと KDDI に相談しました。」
「ガバメントクラウドの運用管理には、多くの関係者が関与します。具体的には、回線事業者やネットワークの運用管理補助業者、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)、さらには町内のネットワーク保守ベンダーなどが挙げられます。障害発生時に窓口が分散すると、トラブルの解決に時間を要するため、回線状況の管理を担う KDDI と高い技術力を持つアイレットを選定しました。」
淡路島という地理的な特性から、災害時を見据えた取り組みへ
淡路島の地理的特性を踏まえ、洲本市様では災害を想定した構成の整備を積極的に進めており、アイレットはグループ会社である KDDI と協力し、洲本市様と一緒に新しい技術に対しても積極的に挑戦しています。
「淡路島は地理的な特性上、主回線と副回線の2回線だけでは地震発生時に通信断が起こってしまう可能性が高いと考えています。そこで、KDDI のスターリンクを“副副回線”として活用できないか、現在検討を進めています。」
ガバメントクラウド導入後の効果について
取り組み当初は、デジタル庁のガバメントクラウドに関するガイドラインが整備される前だったにもかかわらず、わずか2ヶ月で構築までを実現しました。
「アイレット・KDDI と協議し、回線の調達仕様を明確化できたことが最大の要因だと考えています。また、(ガイドラインがまだ何も無い状況下でも)仕様に関する打ち合わせを最小限に留められたことが、スムーズな導入につながりました。」
「全国的にも両アクティブ構成を採用した事例は少なく、当初から実現したいと考えていました。また、基幹系だけでなく LGWAN 系の接続も希望しており、対応いただいたことに大変満足しています。」
「(運用面に関しても)アイレットは、これまでの実績も踏まえて、非常に技術的にも信頼できるパートナーと思っています。打ち合わせでいただく詳細なレポートも大変助かっています。今後も ASP が増える中で、継続的な改善を進めていくべく、協力していきたいと思っています。」
稼働後は受動的な運用保守ではなく、プロアクティブな運用保守を理想に継続的な改善
運用面では、単なる障害対応ではなく、能動的かつ継続的な改善を重視。システム構築後も『どのように改善して、より使いやすいものにしていくか』『どのように環境を最適化していくか』といった視点でプロジェクトを進めています。
「窓口 DX の推進が最初の取り組みでした。その際、AWS 上のガバメントクラウドネットワークの構築を依頼しました。現在では、ASP ベンダー*が増え、ネットワーク接続や名前解決の支援も受けています。」
*業務アプリケーションなどの構築、提供、運用保守を行う事業者。ガバメントクラウド共同利⽤⽅式を採⽤した場合、アプリケーションの利⽤に必要なクラウドサービスの運⽤管理をガバメントクラウド運⽤管理補助者に委ねることで、運⽤管理の負担を軽減できることが可能となります。(デジタル庁「地方公共団体情報システムの ガバメントクラウドの利用について 【第 2.0 版】 」より抜粋)
「クラウド環境は構築して終わりではなく、継続的な改善が不可欠です。将来的には ASP ごとのリソース使用状況を可視化し、リソース削減の余地があるかなど、ダッシュボードで一覧管理できる環境を構築したいと思っています。」
洲本市様では、ガバメントクラウド導入後も ASP の増加に伴い、ネットワーク接続や名前解決などの運用最適化に向けて、アイレットと共に継続的に取り組んでいます。
今後もアイレットは、静的で受動的な運用保守ではなく、クラウド環境の最適化を支援するプロアクティブな運用サポートを提供してまいります。
案件名 | ガバメントクラウドへの移行をわずか2ヶ月で実現! 稼働後もプロアクティブな運用保守で継続的に改善 |
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クライアント | 洲本市様 |
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