膨大かつ複雑なドキュメントの中から必要な情報へのアクセスを高速化!Amazon Bedrock を活用した生成 AI 検索アシスト基盤開発株式会社SiNCE様のクラウドを活用した導入事例
掲載日:2024年9月20日
お客様の課題
- 膨大かつ複雑なドキュメントが存在する中、検索キーワードで迅速にアクセスする方法を求めていた。
- ドキュメントを読み込まなくても欲しい情報が得られる仕組みが必要だった。
対応と結果
- Amazon Bedrock を利用し、お客様独自の社内情報への生成 AI を活用した検索アシスト基盤を提供。チャットでの質問で、容易に回答とその根拠となるドキュメントが確認できるようになり、作業効率が向上しただけでなく、エンジニアへのナレッジシェアや人材育成にも有効活用できるようになった。
株式会社SiNCE 様は、生成 AI を活用した社内情報への検索アシスト基盤を導入し、エンジニアの作業効率向上を実現しています。この基盤の開発をアイレットが担当いたしました。
開発規模の拡大に伴い、ドキュメント数が増加。生成 AI を活用した検索機能で、エンジニアの作業効率を改善
株式会社SiNCE 様(以下、SiNCE 様)は、「AI・データで生産性に飛躍を」をパーパスに掲げ、デジタルトランスフォーメーション事業、データやテクノロジーを活用してクライアントの売上成長に貢献するセールスグロース事業を展開しています。
同社は開発規模の拡大に伴って社内で保有するドキュメントの数が増えていき、開発領域が広がるにつれて取り扱う情報の専門性もますます高まっていました。そのため、担当者間の引き継ぎや新任エンジニアを教育する際には、膨大なデータの中からドキュメントを探し、中身を確認して欲しい情報が書かれているページを参照しなければならず、エンジニアが必要な情報へアクセスするために時間がかかり、作業の効率化が課題となっておりました。
こうした作業負荷を軽減すべく、同社は生成 AI を活用した業務効率化を計画し、AWS マネージドサービスによる基盤構築をアイレットにご依頼いただきました。
Amazon Bedrock と RAG システムによる、お客様独自のデータを有効活用した検索を実現。エンジニアの作業効率や育成効率が大幅に向上
生成 AI 活用基盤の構築には、生成 AI アプリケーションを迅速に構築・スケールすることが可能な Amazon Bedrock を採用。お客様が保有するドキュメントを Amazon S3 に保管し、Knowledge Bases for Amazon Bedrock に同期することで回答の元となる検索データを作成します。さらに、RAG(Retrieved Augmented Generation)アーキテクチャを導入することで、お客様独自のデータを有効活用しながら高品質な回答を生成するシステムを開発しています。
チャットツールとしては Slack を利用。AWS Lambda と Amazon API Gateway を活用して Slack と接続し、ユーザーが Slack Bot に質問を送ると、RAG アプローチによってお客様独自のナレッジベースや Slack のスレッド履歴を踏まえて適切な回答を出力する仕組みを構築しました。
Amazon Bedrock と RAG システムによる、お客様独自のデータを有効活用した検索を実現。エンジニアの作業効率や育成効率が大幅に向上
生成 AI 活用基盤の構築には、生成 AI アプリケーションを迅速に構築・スケールすることが可能な Amazon Bedrock を採用。お客様が保有するドキュメントを Amazon S3 に保管し、Knowledge Bases for Amazon Bedrock に同期することで回答の元となる検索データを作成します。さらに、RAG(Retrieved Augmented Generation)アーキテクチャを導入することで、お客様独自のデータを有効活用しながら高品質な回答を生成するシステムを開発しています。
質問・回答例
さらに、回答の根拠となるドキュメントのリンクやドキュメント内の参照箇所のリンクを回答に含めるように設定することで、回答の正誤をエンジニア自身で確認することもできます。また、どのような質問にも答えるのではなく、ナレッジベースやスレッド履歴に基づいて答えられない場合はその旨を回答することで、誤回答を減らす工夫を施しています。
なお、スレッドごとのチャット履歴は試験的に Amazon DynamoDB に保管しており、さらなる精度向上など今後の活用可能性も検討しています。
こうして生成 AI を活用した検索アシスト基盤を提供した結果、SiNCE 様のエンジニアは参照したいドキュメントを Slack 上で簡単かつスピーディに探せるようになりました。生成 AI は Slack のスレッド履歴を踏まえた回答を行なうため、同じスレッドで続けて質問する際に前提条件などを毎回書き込む必要がなく、自然な会話形式で検索を続けることができます。
また、RAG を用いたシステムではドキュメントを内部で検索し、その結果を用いて生成 AI が質問への回答を作成するため、わざわざドキュメントを開いて該当箇所を読み込まなくても、スレッド上で知りたい情報を入手できるようになりました。回答内容についてより詳しく知りたい場合は、提示された参照箇所のリンクにアクセスすることで容易に調べることができます。そして、エンジニアへの業務引き継ぎや新任エンジニアへの教育を行なう際も、この機能を使うことで効率的なナレッジシェアが可能となります。
検索アシスト基盤は Slack のみならず、様々なコミュニケーションツールやアプリ、Web サイトへの埋め込みが可能となっています。生成 AI を活用した社内 DX 推進にご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
システム構成図
使用プロダクト
・Amazon Bedrock
・Amazon OpenSearch Service
・Amazon S3
・Amazon DynamoDB
・AWS Lambda
・Amazon API Gateway
案件名 | 膨大かつ複雑なドキュメントの中から必要な情報へのアクセスを高速化!Amazon Bedrock を活用した生成 AI 検索アシスト基盤開発 |
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クライアント | 株式会社SiNCE様 |
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