生成 AI を活用して社内交流を活性化!“社内限定”のグルメ情報スマホアプリを開発アイレット株式会社のクラウドを活用した導入事例
掲載日:2024年9月12日
課題
- チームや部署の枠組みを超えた社内コミュニケーションを促進する仕組みを求めていた。
対応と結果
- オフィス周辺のランチ情報を検索し、評価コメントができる社内限定のスマートフォンアプリを開発。利用状況に応じてアバターを取得できる機能や、生成 AI を活用したアバター作成機能によりアプリ利用を促進し、社員同士のコミュニケーション活性化につながった。
アイレット株式会社(以下、アイレット)は、オフィス周辺のランチ情報を検索&評価・コメントができる社内限定のスマートフォンアプリを開発しました。本プロジェクトの詳細をご紹介いたします。
ランチ情報を共有できる社内限定アプリで、チームや部署の垣根を超えたコミュニケーション活性化を目指す
アイレットではチームや部署の枠組みを超えたさらなる社内コミュニケーション活性化を目的として、社内イベントやツール開発など様々な取り組みを行なっています。
その一環として2020年からスタートしたのが、ランチ × 社内交流スマートフォンアプリの開発プロジェクトです。
アプリ画面
オフィス周辺には魅力的なランチスポットがたくさんあります。アイレットの社員も日々、様々なお店を利用しており、雑談でおいしかったランチ情報を共有し合っている様子もよく目にします。一方、他のチームや他部署の人が普段どんなところにランチに行っているのかを知る機会はあまりありません。
ランチの話題はその人の趣味嗜好を知り、会話のきっかけにもなりやすいことから、社員同士でランチ情報を共有できる仕組みがあればチームや部署の枠組みを超えた社内コミュニケーションの活性化につながるのではないか。そのような仮説のもと、アジャイル事業部が本プロジェクトの開発に取り組むことになりました。
生成 AI を活用したアバター画像生成機能により、“アプリを使い続ける楽しさ”を提供
本アプリでは、飲食店に料理ジャンルを選択して評価コメントをすることができ、コメント投稿が一定の数に達すると称号を獲得できる仕組みとなっています。称号を獲得すると、ユーザーのアイコンに使用できるアバターが増えるのが特徴です。
生成 AI を活用した隠しメニューでオリジナルアバターが作れる!
本アプリでは、ユーザーの継続利用率を維持する仕掛けとして隠し機能を追加しました。
ユーザーは、この隠し機能を利用することで、オリジナルアバターを作成することができるようになります。コメント数が一定数になると獲得できる「スペシャル称号」をいくつか獲得すると、そのスペシャル称号ごとにアバターを生成するためのプロンプト*が手に入り、ユーザーはその獲得したプロンプトを画像生成 AI に渡すことで、オリジナルのアバターを作成することができます。
つまり、アプリを使えば使うほど、使用できるプロンプトが増えるため、生成できるオリジナルアバターのバリエーションが広がるといった仕組みとなっているのです。
※プロンプト:名詞(例:baby, woman, panda)や動詞(例:eating pasta, cooking, dancing)など、ユーザーが入力する質問や命令のテキストのこと。
アバター作成画面では、ユーザーが画像生成に使用したくない言葉を選択解除することができます。それらを除いた獲得プロンプトの中から、システム側がランダムでプロンプトを選択し、AI が3つのオリジナルアバターを生成。ランダムで選択・作成されるガチャ要素がポイントであり、作成したアバターは本アプリのユーザーアイコンとして使用できます。
アバター作成画面
Stable Diffusion を用いた生成 AI でキャラクターを生成
生成 AI モデルには、プロンプトに基づいて画像生成が可能な Stable Diffusion を使用。事前に各種アバターの画像を Stable Diffusion に学習させておくことで、アプリ内におけるキャラクターのトーンの統一を図っています。複数枚の画像を学習させ、ポジティブなプロンプト(描写してほしい内容)、ネガティブなプロンプト(画像に描写してほしくない内容)を渡すと、AI がそのプロンプトをもとに生成する画像を予想して生成する仕組みで画像が生成されます。
アバターの一部
社員の利用を目的とした“社内限定”のスマホアプリ
本アプリは、社員の利用を目的とした社内限定のサービスであり、利用時にはユーザーの事前登録が必須となります。ログイン方法は、SNS アカウントを活用したログインを採用しており、Google または Apple ID でのログインが可能です。管理側で事前に登録したユーザーのメールアドレスと、ユーザーがログインするときのメールアドレスが一致することで本登録へと進むことができる仕様となっています。
アジャイル型の開発プロセスを導入したスムーズなプロジェクト進行
本アプリの開発では、アジャイル型の開発プロセスに FigJam を用いたレトロスペクティブを取り入れました。
FigJam を用いたレトロスペクティブでプロジェクト進行を改善
本プロジェクトはアジャイル型の開発プロセスを導入し、オンラインホワイトボードの FigJam を用いてレトロスペクティブを実施しました。レトロスペクティブとは、スクラムのスプリント終了時に行なう振り返りのことで、アジャイル開発手法の一つとなります。毎回「良かったこと(Keep)」「課題(Problem)」「対応策・次に挑戦すること(Try)」を整理する KPT 法を採用することで、課題を先延ばしにせずに解決するための具体的なアクションを取ることができます。実際、定期的な振り返りによって、プロジェクト内で起きている課題をメンバー全員が認識できるようになり、認識の齟齬や作業の手戻りが解消されるなど、スムーズなプロジェクト進行につながりました。
Flutter を使用したアプリケーション開発で今後の資産を構築
アプリケーション開発には、単一のコードから複数のプラットフォーム開発が可能な Flutter を使用。モバイル・Webアプリケーション開発プラットフォームの認証システムやアクセス解析ツール など、Flutter 開発への貢献が見込める各種機能を積極的にテストし、実際に有用性が認められたものを導入しています。
また、もともと飲食店データは地図サービスの API データを活用していましたが、コスト効率や運用のしやすさを考慮し、グルメサイトの API データへの乗り換えを検討。複数サイトを調査した上で採用する API データを選定した結果、大幅なコスト削減につながりました。
アジャイル事業部内で本アプリ「Lungle(ラングル)」をリリースしたところ、早速多くのメンバーが継続的に利用し、「メンバーのお気に入りのランチが分かって話題が生まれた」「アバターを取得することはもちろん、画像生成できるのも楽しくてもっと使いたくなる」といった声が挙がっています。将来的には社外へのリリースも検討しており、現在ユーザーのフィードバックを参考に機能改善を進めています。
システム構成図
使用プロダクト
◼️AWS
・AWS Lambda
・Amazon API Gateway
・Amazon EventBridge
・Amazon S3
・Amazon RDS
・Amazon EC2
・Amazon CloudFront
◼️Flutter
◼️Riverpod
◼️flutter_hooks
案件名 | 生成 AI を活用して社内交流を活性化!“社内限定”のグルメ情報スマホアプリを開発 |
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クライアント | アイレット株式会社 |
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