生成 AI のコラム
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RAG(検索拡張生成)とは?仕組みと生成 AI との違いを解説

生成 AI をチャットボットや社内検索に導入する企業が増える一方で、回答が事実と異なる「ハルシネーション」や、社内の最新情報が反映されないといった課題も指摘されるようになりました。この課題に対応する技術として、いま RAG(Retrieval-Augmented Generation)が注目されています。

しかしながら、

  • RAG とは具体的にどのような仕組みで、従来の生成 AI と何が違うのか
  • ファインチューニングなど他の精度向上手法と、どう使い分ければよいのか
  • 自社に導入する場合、どのようなリスクや注意点があるのか

といった疑問を持つ方も少なくないでしょう。

そのためこの記事では、RAG の基本的な仕組みから実装アプローチの比較、具体的な活用シーン、導入時に押さえておきたい注意点までを整理して解説します。

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RAG(検索拡張生成)とは

RAG(Retrieval-Augmented Generation)が何を指すのか、まずは基本的な定義から確認します。

RAG は、情報検索(Retrieval)と文章生成(Generation)を組み合わせた技術です。大規模言語モデル(LLM)が回答を生成する前に外部の知識ベースから関連情報を検索し、その内容を根拠として回答を組み立てます。AWS は RAG を、大規模言語モデルの出力を最適化するプロセスであり、応答を生成する前に学習データの外にある信頼できる知識ベースを参照することで実現すると説明しています。

参照:RAG(検索拡張生成)とは何ですか? | AWS

RAG の仕組み(事前準備・検索フェーズ・生成フェーズ)

RAG の処理は、大きく「事前準備」「検索フェーズ」「生成フェーズ」の3つのプロセスに分かれます。

事前準備の段階では、社内文書やナレッジベースを細かい単位(チャンク)に分割し、AI が意味を理解できる数値データ(ベクトル表現:埋め込み)に変換して、インデックスに登録しておきます。

検索フェーズでは、ユーザーの質問文をベクトル化し、あらかじめ検索しやすい形に整理されたインデックスの中から意味的に関連性の高い情報を探し出します。文章の意味を捉えて検索する「セマンティック検索」を用いるため、質問と完全に同じ単語が使われていなくても関連情報を拾い上げられる点が特徴です。

また現在の RAG 実装では、このセマンティック検索(ベクトル検索)に加え、キーワードの完全一致を狙う「キーワード検索」を組み合わせたハイブリッド検索や、検索結果の順位を最適化するリランキングを併用して精度を高めるのが一般的です。

生成フェーズでは、検索で取得した文書(チャンク)を質問文とあわせてプロンプトに組み込み、大規模言語モデルに渡して回答を生成させます。このとき「与えられた文脈のみを根拠に回答する」「参照した箇所を提示する」といった指示をプロンプトに含めることで、回答の根拠を追跡できる状態を保ちます。RAG の精度は生成側のモデル性能だけでなく、検索フェーズでどれだけ的確なチャンクを渡せるかに大きく左右されます。

従来の生成 AI との違い

従来の生成 AI は、学習時点までに取り込んだデータのみを根拠に回答を生成します。モデルの学習後に発生した出来事や、社内限定の非公開情報については、原理的に正しく答えられません。

RAG は外部データベースを都度参照する仕組みのため、データベース側を更新するだけで最新情報に対応できます。モデル自体を再学習させる必要がないため、情報の鮮度を保ちながら運用コストを抑えられる点が、従来型の生成 AI との大きな違いです。

例えば、自社製品の価格や在庫状況、直近に改定された社内規程について尋ねられた場合、従来の生成 AI は学習時点の情報をもとに回答するため、内容が古くなっていたり、そもそも該当する情報を持っていなかったりします。RAG であれば、価格表や規程集のデータベースを更新しておくだけで、常に現時点の正しい情報に基づいた回答を返せます。

ハルシネーション抑制の仕組み

ハルシネーションとは、生成 AI が事実に基づかない情報を、あたかも事実であるかのように生成してしまう現象です。学習データの中に明確な答えがない質問に対して、大規模言語モデルが確率的にもっともらしい文章を作り出してしまうことが主な原因とされています。

RAG は回答の根拠となる情報源を検索結果として明示できるため、この問題を軽減しやすくなります。プロンプト設計とあわせて「検索結果に該当情報がない場合は推測せずその旨を伝える」という制御を組み込めば、不確かな情報を断定的に答えてしまうリスクをさらに抑えられます。ただし検索結果の精度そのものが低ければハルシネーションは残るため、後述する評価・品質管理の観点もあわせて押さえておく必要があります。

RAG が注目される背景とファインチューニングとの違い

生成 AI の利用が業務の中核に組み込まれるほど、精度と情報の鮮度に対する要求水準は上がります。RAG が求められる背景と、精度向上のもう一つの代表的な手法であるファインチューニングとの違いを整理します。

生成 AI 活用の広がりと精度・鮮度の課題

チャットボットによる問い合わせ対応や、社内文書を横断した検索など、生成 AI の活用範囲は年々広がっています。単発の利用から業務プロセスの一部へと組み込まれるにつれて、「回答の正確さ」と「情報の鮮度」が実務上のボトルネックとして表面化しやすくなりました。

特に、価格表や規程集、契約書のように更新頻度が高い文書を扱う業務では、学習データだけに依存する生成 AI では対応しきれません。この課題への実務的な解決策として、RAG の導入を検討する企業が増えています。

RAG とファインチューニングの使い分け

生成 AI の精度を高める手法として、RAG と並んでよく比較されるのがファインチューニングです。ファインチューニングは、追加の学習データを使ってモデル自体のパラメータを調整し、特定分野の応答スタイルや専門知識をモデルに覚え込ませる手法です。両者は目的が異なります。

手法 向いている用途 変えるもの
ファインチューニング 文体・口調・専門分野特有の言い回しを整えたい場合 モデルの振る舞い
RAG 社内文書や最新情報など、都度参照させたい知識がある場合 参照する知識

情報の更新頻度が高い業務では、モデルを再学習させ続けるファインチューニングよりも、参照先のデータベースを更新するだけで済む RAG の方が運用コストを抑えやすい傾向があります。逆に専門用語の言い回しや出力フォーマットを一貫させたい場合は、ファインチューニングと RAG を組み合わせて使うケースも珍しくありません。

RAG の実装アプローチを比較する

RAG と一口に言っても、実装のアプローチにはいくつかの選択肢があります。資料の量や用途に応じて向き不向きがあるため、比較しながら判断軸を整理します。

ベクトル検索型 RAG の特徴

最も一般的な RAG の実装は、文書をあらかじめベクトル化してインデックスを作成し、質問時に関連度の高い箇所だけを検索して大規模言語モデルに渡す「ベクトル検索型」です。Amazon Bedrock ナレッジベースのように、企業独自のデータソースを取り込んでベクトル化・検索・回答生成までをマネージドサービスとして提供する仕組みも整ってきました。

参照:RAG の基盤モデル – Amazon Bedrock ナレッジベース | AWS

ベクトル検索型は事前に資料を検索しやすい形に整理しておく手間がかかる一方、大量の資料の中から必要な部分だけを的確に抽出できるため、資料量が多い業務ほど効果を発揮しやすい方式です。文書を意味の近さで数値化(ベクトル化)しておき、質問文も同じ方法で数値化したうえで類似度を計算する仕組みのため、キーワードが一致しない場合でも意味的に近い文書を検索できる点が、従来の全文検索との大きな違いです。

長コンテキスト・カスタム指示型との比較

一方で、資料をベクトル化・インデックス化せず、モデルに丸ごと読み込ませて対話する「長コンテキスト」を使う方式や、指示文と資料をまとめてモデルに与える「カスタム指示型」(Gemini の Gem など)を使う方式もあります。

参考記事:Gemini の Gem(カスタム指示)とは?作り方や業務別の設定例を解説

こうした方式は設定が手軽な反面、資料量が増えるほど注意が必要です。長いコンテキストの中央部分にある情報が見落とされやすくなる「Lost in the Middle」と呼ばれる現象が研究で報告されており、関連情報が入力の先頭や末尾にある場合と比べて、中央にある場合は回答精度が大きく下がることが示されています。無関係な情報が増えるほど出力品質が低下しやすい点も同様です。

参照:Lost in the Middle: How Language Models Use Long Contexts(arXiv:2307.03172)

社内 Wiki のような大量の文書を横断的に扱う用途では、資料を丸ごと渡すのではなく、あらかじめ検索対象を絞り込むベクトル検索型 RAG の方が安定した精度を得やすいと言えます。

RAG を導入する主なメリット

RAG の技術的な特徴を踏まえたうえで、業務に導入した場合にどのような効果が期待できるかを見ていきます。

情報検索業務の効率化と回答の精度向上

RAG の最大のメリットは、必要な情報にたどり着くまでの時間を短縮できる点です。従来のキーワード検索では正確な検索語を知らなければ目的の資料にたどり着けませんでしたが、RAG のセマンティック検索であれば自然な言葉で質問するだけで関連情報を取得できます。

効果を高めるには、インデックスの設計も重要です。インデックスは製品別・部門別など用途ごとに分割しておくと、関連性の低い情報が回答に混ざりにくくなり、検索精度が安定しやすくなります。

実際に、社内 Wiki(Backlog)を対象とした RAG システムを Slack 上のチャットボットとして構築した事例では、問い合わせ1件あたり約5分の対応時間が削減された場合、月間で約2,000分(人件費ベースで約4万円相当)の効率化が見込まれています。

参照:AI エージェントで月2,000分の業務効率化!Google Cloud を活用した問い合わせ自動化エージェントを開発 | cloudpack

検索業務そのものを効率化することで、担当者はより判断や交渉が必要な業務に時間を割けるようになります。

最新情報への追従とコスト効率

RAG のもう一つの利点は、モデルを再学習させることなく、参照先のデータベースを更新するだけで最新情報に対応できる点です。価格改定や規程変更など頻繁に情報が変わる業務でも、データベースの更新作業だけで生成 AI の回答を最新の状態に保てます。

モデルの再学習には相応の時間とコストがかかりますが、RAG であればデータの追加・更新という比較的軽い作業で済むため、継続的な運用コストを抑えやすい点も実務上のメリットです。効果を評価する際は、作業時間の短縮といった定量的な効果だけでなく、担当者の負荷軽減や回答品質の安定といった定性的な効果もあわせて確認すると、投資対効果を判断しやすくなります。

RAG の活用シーン

RAG は、情報検索やナレッジマネジメントに関わる幅広い業務で活用が進んでいます。代表的な活用シーンを紹介します。

社内ナレッジ検索・FAQ 対応の自動化

社内規程やマニュアル、過去の対応履歴など、部門をまたいで蓄積された情報を横断的に検索したい場合、RAG は特に効果を発揮します。「昨年度の経費精算ルールを教えて」といった自然な質問に対して、関連する複数の資料から必要な部分を抽出し、まとめて提示できます。

検索対象は、あらかじめ整備された文書だけとは限りません。チャットツール上のやり取りに埋もれた設計判断や障害対応のノウハウを生成 AI で抽出し、ナレッジとして再利用できる形に整える取り組みも進んでいます。KDDIアイレットでは、Amazon Bedrock(Claude Sonnet 4.5)を活用して過去3年分の Slack ログから約280件の知見を自動抽出し、自然言語で検索・参照できる環境を構築しました。

参照:わずか3日間で組織の知的資産を可視化!Amazon Bedrock(Claude)活用で Slack に埋もれた暗黙知を自動発掘 | cloudpack

参考記事:生成 AI バックオフィス活用ガイド|経理・人事・法務の業務効率化事例

営業・マーケティング業務での活用

営業担当者が製品仕様や価格、過去の提案事例をその場で正確に把握したい場面でも、RAG は活用できます。顧客からの質問内容を入力すると、関連する製品資料や過去の提案書から必要な情報を抽出し、回答の下書きを作成できます。経験の浅い担当者でも一定水準の回答品質を保ちやすくなる点は、営業組織全体の底上げにつながります。

参考事例:社内のメールを営業資産に変える。「かんたん AI パック」で、ナレッジ可視化と営業スピードの変革を実現(株式会社ラクト・ジャパン様) | cloudpack

また、商品情報そのものをデータベース化したうえで RAG チャットボットや帳票出力と組み合わせれば、営業部門からの問い合わせ対応や規格書作成といった定型業務まで効率化できます。同じくラクト・ジャパン様の事例では、商品規格書の作成時間を1件あたり約2時間から約30分へ短縮する体制を構築しています。

参照:商品情報をデータベース化し、AI 検索・出力までをアプリケーション化。分散データの一元管理と横断活用を実現 | cloudpack

カスタマーサポートでの応答支援

顧客からの問い合わせ対応でも、RAG を組み込んだ FAQ システムが使われ始めています。従来の FAQ は、あらかじめ用意された質問と回答のペアからしか検索できませんでしたが、RAG であれば質問の意図をくみ取り、複数の情報源を組み合わせて回答を構成できます。返品方法や手続きの流れ、必要書類といった関連情報を一度にまとめて提示できるため、顧客の自己解決率の向上にもつながります。

KDDIアイレットのサポートデスクでは、過去の問い合わせナレッジや技術ブログと AWS 公式ドキュメントを組み合わせた RAG を実装した AI チャットボットを導入し、一次対応の自動化と24時間365日の即時応答によって最低20%の工数削減を見込んでいます。

参照:AI チャットボットによる一次対応の自動化。社内ナレッジとマルチモデル設計で 24/365 の高精度回答を実現 | cloudpack

保守部門の問い合わせ対応に社内専用の RAG チャットを導入し、問い合わせ対応の工数を7割削減した事例もあります。この事例では、社内規定の地域ごとの特例ルールが表形式の PDF で記載されていたため、生成 AI が判断しづらい状態にありました。表形式からリスト形式や JSON 形式へとドキュメント構造そのものを見直すことで、検索精度を高めハルシネーションを抑えています。

参照:問い合わせ対応の工数を7割削減。AWS の生成 AI を活用した社内専用 RAG チャット構築 | cloudpack

導入後は、回答の正確性や関連性を継続的に確認し、参照元のデータを随時更新していく運用体制もあわせて設計しておくと、品質を安定させやすくなります。

RAG 導入時の注意点と進め方

RAG は万能ではなく、導入・運用にあたって押さえておくべき注意点があります。精度評価、セキュリティ、進め方の3つの観点から整理します。

精度評価の難しさと品質管理

RAG システムの品質は「回答がそれらしく見えるか」では判断できません。検索と生成を分けて、それぞれの精度を評価する視点が必要です。

評価指標を選ぶ際は、自社の用途に指標が合っているかを確認することが欠かせません。たとえば検索結果をそのまま提示するタイプの用途では、生成された回答から質問を逆算して類似度を測るような、回答生成を前提にした指標がうまく機能しないことがあります。こうした場合に有効なのが、正解データを必要とせず独自の評価基準をプロンプトとして定義できる、Ragas のようなライブラリの機能です。具体的には、評価基準を独自に定義できる Aspect Critic と、検索結果の的確さを測る Context Relevance を組み合わせる方法が挙げられます。

参照:List of available metrics | Ragas

KDDIアイレットでも、サポートデスク業務における生成 AI の回答精度の判定に Ragas を導入し、「解決性」と「有用性」という独自の評価軸を Aspect Critic で実装しています。Context Relevance と組み合わせて評価を自動化した結果、月あたり約2.6人日、年間で約31.2人日の工数削減につながりました。

参照:生成 AI の回答精度の判定を自動化し、業務工数を大幅に削減!Ragas と LLM Observability の導入事例 | cloudpack

自社の要件に合わない指標をそのまま採用すると、「数値上は問題ないのに現場の評判は悪い」というギャップが生まれやすいため、評価指標は運用しながら見直す前提で選ぶことをおすすめします。

セキュリティリスクとガバナンス

RAG は外部の情報源を参照する仕組みであるがゆえに、その情報源自体がセキュリティ上の攻撃対象になり得るという特有のリスクを抱えています。

社内 Wiki やナレッジベースに悪意のある指示文が紛れ込む「間接プロンプトインジェクション」が発生すると、生成 AI がそれを正当な情報として参照し、意図しない回答や動作につながる可能性があります。

さらに、RAG 特有のリスクとして「閲覧権限が異なる文書の混在(権限制御の設計)」にも注意が必要です。アクセス権限の設定が不十分だと、一般社員の質問に対して役員限定の機密情報を含んだ回答が生成されてしまう恐れがあります。実装上は、認証基盤と連携して利用者の所属や役職を判定し、ベクトルデータベースのメタデータフィルタリングによって検索対象そのものを絞り込む設計が有効です。

実際に、海外を含めたグループ全社で生成 AI 基盤を展開したオルガノ株式会社様の事例では、Okta と Firebase Authentication を連携させ、組織上の責任と権限に基づいた細かなアクセス権限制御を実現しています。

参照:海外含めたグループ会社全体で利用可能な生成 AI 基盤を構築!Google Cloud で独自のセキュリティ要件とコスト課題に対応 | cloudpack

こうしたリスクを抑えるには、情報源へのアクセス制御、定期的な内容の監査、変更履歴の管理といった地道なガバナンス体制が欠かせません。

PoC からの段階的な導入ステップ

RAG をいきなり全社展開すると、想定外の課題が表面化した際の手戻りが大きくなります。まずは特定の部門や業務に絞った PoC(概念実証)から始め、検索精度や運用上の課題を洗い出したうえで対象範囲を段階的に広げていく進め方が現実的です。

PoC の対象は、現場で最も情報検索に時間がかかっている業務や、問い合わせ件数が多く定型化しやすい業務から選ぶと、効果を実感しやすくなります。また、既存の文書管理システムや業務アプリケーションとどう連携させるかもあわせて検討しておくと、本格導入時の統合がスムーズになります。効果が確認できた業務から優先的に展開することで、投資対効果を確認しながら着実に導入を進められます。

実際に、Google Cloud 上で RAG を構築したものの、現場の人が直感的に使える画面がないまま社内展開した結果、利用が定着しなかったケースもあります。総合建設コンサルタントの株式会社ウエスコ様では、過去の設計ミスの再発防止を目的に外部ベンダーへ依頼して RAG システムを開発したものの、UI がないことから社内で活用するユーザーが少なく、浸透しないという課題を抱えていました。

使いやすい UI/UX を備えたチャットボットへ作り直し、回答の根拠となる参照元ファイルへのリンク表示や関連質問のサジェスト機能を加えたことで、現場での活用を大きく後押しする結果につながっています。RAG は検索・生成の精度だけでなく、現場が使い続けられる UI/UX 設計まで含めて初めて成果につながる技術だといえます。

参照:RAG 型チャットボットで社内のナレッジ検索をもっと気軽に!生成 AI を活用し人的ミスを防止する開発プロジェクトの内製化を支援 | cloudpack

まとめ|RAG は「検索」と「生成」を組み合わせ、精度と鮮度を両立させる技術

RAG は、外部の知識ベースを検索し、その結果を根拠に回答を生成することで、生成 AI が抱えやすいハルシネーションや情報の陳腐化という課題に対応する技術です。ファインチューニングとは目的が異なり、情報の更新頻度が高い業務では、モデルを再学習させずに済む RAG の方が運用しやすい場面が多くあります。

一方で、精度評価の難しさやセキュリティ面でのガバナンスなど、導入前に検討しておくべき論点も少なくありません。まずは自社の業務の中で情報検索に最も時間がかかっている領域を1つ選び、PoC から始めてみることをおすすめします。段階的に検証を重ねながら、自社にとって適切な RAG の活用範囲を見極めてみてはいかがでしょうか。

KDDIアイレット / cloudpack では、AWS・Google Cloud・OCI を活用した RAG システムの設計・構築・運用を支援しています。

  • Amazon Bedrock ナレッジベースや Vertex AI を活用した RAG 基盤の構築
  • データソースの構造最適化による検索精度の向上とハルシネーションの抑制
  • Ragas と LLM Observability を活用した回答精度の自動評価・可視化
  • 現場に定着する UI/UX 設計から、PoC・本番導入・内製化支援まで一貫対応

RAG の導入や社内ナレッジ活用の検討は、お気軽にご相談ください。

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【FAQ】RAG 導入に関するよくある質問

Q. RAG を導入するデメリットはありますか?

A. データベースの構築・維持にかかるインフラ費用や、事前にデータを「検索しやすい状態」に整理・クレンジングするための工数が発生する点がデメリットといえます。実際の事例でも、表形式の PDF をリスト形式や JSON 形式へ作り替えることで検索精度を高めており、ドキュメント側の整備が成否を分けます。

Q. RAG なのに回答の精度が上がらない主な原因は何ですか?

A. 「テキストの分割(チャンク)サイズが不適切」「検索手法が要件に合っていない」「元のドキュメントが図解中心でテキスト情報が不足している」などが主な原因です。LLM の性能だけでなく、検索フェーズの調整が鍵を握ります。ハイブリッド検索やリランキングの導入も改善策になります。

Q. クラウドにデータを上げず、オンプレミス環境でも RAG は構築できますか?

A. 可能です。機密性が非常に高いデータを扱う場合、ローカル環境で動作するオープンソースの LLM と、オンプレミスのベクトルデータベースを組み合わせて完全に閉じた RAG 環境を構築する企業も増えています。

Q. 図面や表、画像など、どんなデータでも RAG で検索できますか?

A. 従来はプレーンテキスト化できる文書が中心でしたが、最近ではマルチモーダル LLM の発展により、図表や画像から直接意味を抽出してベクトル化する技術も実用化されつつあります。ただし現状では、テキストデータの方が検索精度は安定しやすい傾向にあります。

Q. RAG の導入にはどれくらいの期間がかかりますか?

A. 対象データの整備状況によって変わりますが、まずは特定業務に絞った PoC から始め、検索精度と運用面の課題を確認したうえで対象範囲を広げる進め方が一般的です。マネージドサービスやパッケージを活用することで、短期間での立ち上げも可能です。

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